ハウスクリーニング業の何が人を惹きつけるのか?

ハウスクリーニング業が人を惹きつける理由

先日、X(旧Twitter)で、ハウスクリーニングに魅力を感じて始めてみたが廃業、修行をし直そうとするも挫折、就職活動するもやっぱりハウスクリーニングをやりたいとまた個人事業主として再スタートを切った、というポストを拝見しました。

ハウスクリーニング業の時代背景

そもそもハウスクリーニング業は昔から参入障壁が低く、古くは定年退職した方が始めたり、中高年のサラリーマンが脱サラで始めたり、景気が悪くなると開業者が増えるなんて言われている業種でした。

また古くはノウハウを得ようとしたらダスキンやおそうじ本舗に代表されるようなフランチャイズ(FC)に加入するという選択肢が主流でしたが、それも時代とともにお掃除系のFC事業を展開する企業が増え、FCの選択肢も広がりました。

さらに現在はスマートホンの普及によるあまねく情報化の波に乗って、くらしのマーケットに代表されるような比較仲介サイトが集客を容易にし、同時にハウスクリーニング業のノウハウまでもそこで公開したり研修したりする場を提供する時代になりました。

SNSの普及も同様に、XやInstagram、YouTubeといったSNSでお掃除のノウハウや情報が容易に得られる時代になりました。

そういった意味では一見、ハウスクリーニング業への参入のしやすさ、仕事を取るハードルは昔に比べてかなり低くなったように見えます。

実際にFCや比較仲介サイトは

『参入してすぐこんなに稼げますよ!』

ということを喧伝しています。
SNS上でもハウスクリーニングで稼げるといった情報が散見されます。

それらの時代背景が、今まで以上にハウスクリーニング業に魅力を感じ、惹きつける要因になっているように思えます。

ビジネスとしてレッドオーシャン化するハウスクリーニング

レッドオーシャン、それは赤い海、つまりは血で血を洗う競争市場を意味します。

参入障壁が低く沢山の人がやり始めれば、当然価格は下がり、競争が激化します。
ビジネスとしては参入はしやすい反面、稼ぎにくくなります。

X(Twitter)上でアクティブに発信されている掃除屋さんたちを見ていると、とてもポジティブでユーモアに富んで、けせらせらと、生き生きとハウスクリーニン業を営んでいるように見えます。

はっきり言います。

それらの掃除屋さんたちは、この血で血を洗うような業界で自分の立ち位置を確立した猛者中の猛者たちです。

これからハウスクリーニン業を始めようかとする人がそれらの諸先輩方の発信を見て『素敵にお仕事をされているな~』『いい業界だな~』などと思うようであればとんでもない勘違いです。

彼らは歴戦の勇者です。
ビギナーが同じフィールドに立とうものなら、ひのき棒と布の服で魔王の城に入るようなものです。もう阿鼻叫喚です。

おそらく私のようにX(Twitter)やブログ上等でハウスクリーニング業は大変だよ~やめときな~、開業支援します・ノウハウ教えますなんてのをあてにしちゃだめだよ~なんて発信しているのはごくごく少数派です。

ハウスクリーニング業を生業として、ブランド品に身を包み、高級外車を乗りこなし、豪邸に住んでいる人を見たことも聞いたこともありません。(FC業の社長さんとかはいるかもしれませんがその人はハウスクリーニングはやってませんからね)

豪邸ではないけれどもローンを組んでマンションや家が買える、身を包むことは出来ないけど努力したご褒美としてブランド物を一つ購入する、子どもを安心して進学させられる、食べたい時に食べたいものを食べられる、一年に1~2回は旅行に行ける、趣味の時間が取ろうと思えば取れる、それがハウスクリーニング業の成功者のレベルだと私は思ってます。

それでもなおハウスクリーニングに魅力を感じるのはなぜか?

冒頭のXでのポストをされた方は、おそらくですが稼ぐことを目的としているわけではないように見受けられます。
何度も挫折を味わい、生計を立てることすら難しい業種であることをわかってもなおハウスクリーニング業を続けたいと。

当社も、求人に困ることがないぐらい毎年のように何人か応募が来ます。
彼らには面接で必ず伝えます。

収入面で考えるならもっとワークライフバランスを取れた上で、修練や努力や創意工夫など必用なく安定した収入を得られる仕事は他にいくらでもあるよと。
だから就職活動をハウスクリーニング業に絞らず広い目でいろんな職種で就職活動してみた方がいいよと。

それでもほとんどの応募者は、それでもいいのでハウスクリーニングをやってみたいですと入社してきます。

ちょっと話は飛躍するかもしれませんが、ハウスクリーニングの業界である程度軌道に乗って、自分の生活は困ることはなくなってきたという歴になってくると、ハウスクリーニングの業界を良いものにしたい、業界に貢献したいという気持ち、考え方を抱くようになります。

ハウスクリーニングの業界を良くする、貢献するということは、そういった儲ける・稼ぐといった動機以外で魅力を感じて参入してくる人たちが、安心して生業として続けていき、人生を設計できることに貢献することなのではないかと思うのです。

正直、まだハウスクリーニング業の何が人を惹きつけるのかは解明できておりませんが、現実として集まってくる人たちが幸せになってくれることを祈るばかりです。
また私に何が出来るだろう?と考え、行動する日々です。


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