値上げの重み

値上げの重み

2年前から当社の某提携先様に

『今こそ値上げの機会ではないか?』

『現状の請負金額はそもそもギリギリで、ガソリン代、高速代、駐車代、洗剤はじめ材料費が高騰するなかで提携先様の方でなんらかの整合を取ってもらえないか?』

『安定した雇用や管理体制、品質向上に人・モノ・金をかけてより御社の仕事を請けるためにも何卒…』

ということを訴えてきました。

今思えばなんと僭越なことを言っていたのかと(笑)
嫌な顔をせず、聞く姿勢を見せ、よく耳を傾けてくれていたなと思います。

提携企業として言うべきことは言いますが、判断・決断するのは提携先様です。
受け入れらずとも、意見は言えど、文句を言ったり不満を感じるのは筋違いです。

こちらも他力本願でなく、採算上の問題があれば、値上げが実施されずとも、その提携先様の比率を下げて少しでも高単価の仕事を増やすための対策を、経営者として行うのみでした。

そんな中、今年、その提携先様が

サービス料金の値上げを実施します』との報が。

当然、値上げした分、スライドで当社の請け単価もアップです。

英断です。

その提携先様は『消費者と生産者を大切にする』ことをモットーとされています。

当然ながら当社が値上げを提言したから…などと言うわけはなく、提携先様が、常に『生産者』である施工業者の状況、需給バランスについて考えていただけていたからに他なりません。

世知辛い商取引の世界で、提携企業と言えば聞こえはいいですが、下請け企業に配慮した値上げを決断されたこと、本当に英断だと思います

しかし、やっと値上げをしてもらえた!請け単価が改善された!と思ったのも束の間、提携先様の決断の重みがこちらにもズシンと伝わってきたのです。

望んではいたもののその値上げにより提携先様も受注件数がどの程度減少するのか、しないのか?それは誰にも分らない中での値上げなのです。
実際に昨年、光熱費の高騰の影響か冬場の受注件数はかなり減少していました。

単価は上がったものの案件数が減少する可能性も十分あります

もし案件数が減少した場合、提携しているパートナー企業の中でパイの取り合いも少なからず起こります。
案件数が下降局面に入ると、限られた案件は当然より評価される提携先に仕事量は流れます。

その際に選ばれる企業であるかどうか?

心臓がドクンと脈打つような重みが値上げにはありました

とはいえ、やはりこの先の事業運営を考えると単価アップは避けて通れません。
単価アップしないまま案件数だけ増やしても作業するスタッフは疲弊するだけで、お賃金アップをすることは叶いません。

自らどうやって価値・価格を定義していくか。
値上げが叶ったと浮かれている気持ちなど早々に吹き飛び、身の引き締まる提携先様の値上げの決断でした。

お仕事ください‼