メモは取る?取らない?
人材育成や仕事を覚えていく上で、地味に意見が分かれるのが
新人で育成される、仕事を覚える側の立場は
メモを取るか?取らないか?
育成する、指導する側の立場では
メモを取らせるか?取らせないか?
問題ってありません?
清掃業、特に空室清掃やハウスクリーニング業は細部の作業マニュアルにまで落とし込めていない、指導の要領もマニュアル化出来ていない、指導のメソッドまで落とし込めていないのが現実です。
もっと現実的なことを言えば、ほとんどが一人親方の口伝による指導が現場で行われているのが現実です。
メモを取るな派の私
かくいう当社も大枠の概要的なマニュアルはあれど、実際のクリーニングの細かな一つ一つの作業そのものは
やってみせて、説明して、やらせてみて、説明して…
の繰り返しです。
その際に
私はメモを取らせません。
メモを取る・取らない、取らせる・取らせない問題は賛否あるかと思います。のでこのブログではあくまでも私はこう思ってこうしてますということを書きます。これが正しいと思ってブログに書いているわけではありませんのであしからず(以上予防線)。
目で見て覚えろ
です(炎上?)。
- こういう形状にはブラシをこの角度で入れて…
- そう、その擦った時のザラザラした手触り、それがスルスル無くなっていく感触覚えておいて
- モップはこういう向きでかけて、返して、こう床を塗りつぶすように…
- スプレーヤーに洗剤を薄める際は原液をここまでいれて水で希釈して…
- 掃除機はこうやってかけて…
あげだしたらキリがありませんがその一つ一つを図示したり文章化している時間も予算も無いのが掃除屋さんの実情です。また親方によってやり方も千差万別。
私がなぜメモを取らせないか?
それはやって見せて、説明している最中にメモを取り出すと、新人はメモを取ることに一生懸命になってしまうからです。
メモ取る暇があったら、目に焼き付けろ!
です(炎上?)。
いやそもそも、清掃の予備知識もないままに、今やってみせて説明したことをどうやってメモに、文章として書き記そうとしているのよ?と。
一応、私は言います。
「メモ取りたいなら取っていいけど、メモ取っている時間、もう一回、二回やって見せるから、目で見る回数増やした方がよっぽど残るよ。メモ取る時間、実際に自分でやってみた方がよっぽど残るよと。」
それでも『自分はメモ取りたいっす!』
という子には「わかったよ。いいよメモ取りな。待ってるから。」
と言って待ちます。
だいたいそういう時、相手はメモを取ることに神経が行ってしまっているので、メモを取り終わったらもう一度同じ説明をしてやって見せます。
そんなこんなでメモを取りたい、取る子の指導はめちゃめちゃ時間がかかります。
そして次の機会で、先日教えたこと(メモを取ったこと)、やってみて?とやらせてみると、
十中八九、何をメモ取ってたの?
というぐらい覚えてません。出来ません(綺麗に出来るかはもちろん度外視で)。
意地悪かもしれませんが
「今日来る前に昨日取ったメモを見返したりして来た?」
と聞くとこれまた十中八九『あ…見てません…』と言います。
なので
「うん、じゃあこれからはメモ取る時間をもっと見る、実際にやってみる時間に当てようか?」
となります。
ドの付く根性論ですが
「一回で見て覚えてやるぞって集中して見てな?先輩が一緒にいて見てあげられる機会も月日が経てば経つほど少なくなっていくから。」と。
ええ、当社も指導なんてこんなもんです。
ただ当社では新人が一年目で一人で回る機会というのはごく僅かです。
ほとんどが先輩と一緒に回るスケジューリングにしていますこと補足しておきます。
例外も経験
ただし、過去例外が一人だけいました。
はっきり言って彼は
メモ魔
でした。
指導は現場だけでなく、移動中の車内でも行われます。
私が運転しながら助手席の彼に「さっきの部屋のお風呂の石鹸カスがまさになんだよね…」と話しかけると、その彼は
『あ、ちょっと今メモ取ってるんで待ってもらっていいですか?』
とこちらの話しを遮るではありませんか?
先輩(いや社長)の貴重なお話を遮るとはコヤツ…と思ったものですが、その彼はスマホのメモアプリに慣れた手つきで手書きのメモを手掛かりにタタタタと入れていきます。
チラッと見えたスマホの画面は物凄いテキスト量でした。
「え?全部メモに入れてるの?」
と聞くと
『忘れそうなことはすぐメモに入れさせてもらいますが、家に帰っても必ずその日のことは全部メモに入れます』
と言い、実際現場でも「この前教えたこの作業やってみて?」と言うと『ちょっといいですか…』とスマホを取り出しメモをチラ見してやり始めました。
上手いか下手かは当然ありますが、教えた通りのことはやろうと出来ています。
日々、朝は該当するメモを一通り見返して来ていると。
その子は、性格的なものももちろんあるようで、ある意味で
そうしなければ気が済まない、逆に不安になる性格
のようです。
なのでこの仕事に限らず、日常的に彼はメモ魔だったのです。
メモ力(りょく)ってあるよね
メモを取るというのは、私は
メモ力(りょく)
が必要だと思ってます。
メモの技術と言い換えてもいいかもしれません。
かくいう私も、自分が過去取ったメモを見返した際に、自分のメモに
「なんのこっちゃ?www」
ってことがよくあります。
メモ力の無い人間がメモに頼ってもいい結果が得られないので、メモ力の無い私は目で、耳で、身体で感じて覚える、脳筋の体育会系人間です。(ごめんよスタッフたちw)
とはいえ社会人なので、最低限、打合せ議事録的なものが必要な時はメモは取れるようにはしておりますこと補足しておきます(それでもなんのこっちゃは起きますがw)。
皆さんはメモを指導育成の場でどのように活用されてますか?
教えていただければ幸いです。