船同じくして
よく会社と社員を『会社が船』で『社員は船員』だと例えたりします。
また会社経営・組織運営の上で、日本型と欧米型の違いの一つに、日本の会社は運命共同体型だと言われます。
一方、欧米型は契約型だと言われます。
日本型=運命共同体型の経営は、会社とは社員と運命共同体なのだから与えられた仕事だけやっていては駄目だ、常に全体のことを考え、上流・下流のことを考え、他部署や先輩後輩、上司部下、協力しあって仕事に取り組みなさいということを求めます。問題が起きればそれは全社全員の問題として取り組もうとします。
欧米型=契約型の契約は、会社と社員はあくまでも役割に応じた契約関係であると、個々の社員は契約に沿った役割をこなすことが責務で、それ以外のことには関知しない、する必要はない。もしそれで問題が起きればそれはマネージメントの責任者の仕事だと、割り切った関係とも言えます。
どっちがいいんでしょうね?
もちろん人にもよるかと思いますが。
契約型だとすれば、船員からしたら船の行き先なんて関係ない、俺は船の清掃員として契約して乗り込んだまでだ、契約に沿った作業範囲をこなすまで。
行き先がどうとか、他の船員と協調しろとか、もっと船の性能を上げることに協力してとか、契約外のことを言われても面倒なだけだ。
という考え方も否定することは出来ない。
運命共同体型だとすれば、せっかく船を同じくしているのだから、皆で船の方向性を決めよう、問題を共有し、全員の課題とし、皆で船の性能を上げるべく協力し知恵を出し合おう、と役割外のことにも参画を求めたくなる。
それこそが仕事の『やりがい』ではないか!と。
しかしこういう考え方が、個々の社員の役割範囲を曖昧にし、ともすれば役割範囲を拡大させ、協調圧力が強まり、いわゆるサービス残業等のブラック労働化や働き難さ、職場の居心地の悪さの要因の一つになるとも言えなくもない。
正直、会社経営者としては、運命共同体だと言いたい。
「これは会社の問題なんじゃない、皆の問題でもあるんだ!さあ皆で解決に取り組もう!」
って言いたいし、やって欲しい。
今のところ私は、人によるから選択させたらいいというのを落としどころにしていますが、どうなんでしょうね?
現実的には選択と言っても、会社側からはっきり選択させたわけでも、社員側からはっきりと選択したわけでもなく、曖昧にしてます。
君は運命共同体型の考え方よな?だよな?という雰囲気でお互い空気を読みながら仕事しています。
これはむしろ忖度型か⁉
う~む…ってお話し(結論無し)。