年始に2023年のハウスクリーニング業界を振り返る

2023年を振り返るとハウスクリーニング業界は潮目に入ったように感じます。

2023年の振り返り

といってもまだ肌感覚程度なので何か大きく数字や日々の作業に変化を強く感じたわけではありません。
しかし2~3年後に振り返った際に「やっぱりあの年からだったよな」と言える確信めいたものを一人感じている次第です。

しがない会社の経営者歴の私ですが、私の中で良い時期は5年は続かないという経験則がありまして、むしろ近年は5年どころか3年も続かないという認識になってきてます。

うまくいっていたことが、思惑通り行っていたこと、そういったことが3~5年のスパンの世の中の変化によって通用しなくなっていく、そんな認識です。

振り返れば今のハウスクリーニングの会社を創業した13~14年前はまだいい時代でした。
当時も景気は決して良くはありませんでしたし、ハウスクリーニング業界に参入する人は増加していると言われていました。かくいう私もその参入者の一人だったわけです。

ただ当時は同業他社と競合しているという感覚はほとんどなく、案件を取った取られたもないですし、価格競争が激しいという感覚もありませんでした。
もちろんそれなりの苦労や挫折はありましたが、ホームページを作ったらそれなりに仕事も取れ、お客様にも恵まれ、比較的軌道に乗るのも早かったです。
創業から5年程度は集客に困ることもなく、単価も少しずつ上げていったぐらいでした。

しかし、自分の中でこれはいつまでも続かないだろうなという感覚があって、それを現実にしたのがハウスクリーニングの比較・仲介サイトの隆盛でした。

それまでも見積ドットコムのような価格比較するWebサービスはありましたが、一般個人のお客様が利用するようなサービスではありませんでした。家電製品などでは『価格.com』、ホテル予約では『トリゴバ(最近聞かないですねw)』『じゃらん』といった比較サイトが隆盛になっていましたが、ハウスクリーニングのようなサービス業でそういった比較サイトでユーザーに根付いたサービスはありませんでした。

現在、ハウスクリーニングの比較・仲介サイトでおそらくトップなのは『くらしのマーケット』でしょう。
次いで『あなたのマイスター(現:ユアマイスター)』でしょうか?

当社が創業して3~4年程経った時、くらしのマーケットのサービスが始まりました(もっと前から始まっていたのでしょうが、目立つようになってきました)。

最初は「ハウスクリーニングのようなサービス業で比較・仲介サイトが果たして根付くのだろうか?消費者に受け入れられるのだろうか?」と半信半疑でしたが、これは潮目が変わるかもな…という確信もありました。

その最大の根拠がスマートフォンの普及でした。携帯電話メーカーが『ガラケーの生産は辞める』とし、老若男女がスマホを持つ時代に突入し始めた時期でした。

実際にホームページも『レスポンシブデザイン』と言ってパソコンでの表示よりもスマホでの表示、視認性・操作性が重視されるようになり、今までのホームページでは通用しない世の中になりました。
事実ホームページの閲覧が、創業当時はパソコンからの閲覧が9割以上だったものが、その頃からスマホからの閲覧が半数以上になり、年を追うごとにスマホからの閲覧が大多数を占めるようになり逆転し、今や9割以上がスマホからホームページを見る時代になっていったのです。

業者を探す、サービス内容を見るといった調べものだけにとどまらず、Amazonやゾゾタウンのようにネットでの買い物もパソコンからではなく、スマホで買い物する時代に加速した時代でした。

私も会社の創業以前からすでにiPhoneユーザーでしたが、ネットで買い物をする際にはパソコンの大きい画面で情報をよく見ながらでないと不安な世代でしたが、同世代の私の妻がパッパとスマホで買い物を済ませる姿を目の当たりにして時代の変化を感じたものでした。

スマホの小さな画面=少ない情報量で物を買う、サービスを選ぶ時代の到来でした。

案の定、くらしのマーケットに代表される比較・仲介サイトは年を追うごとに市場の影響力を増していき、追随する比較・仲介サイトも次々に現れました。
それに呼応するように、当社でも新規顧客の注文は右肩下がりに減少していきました。

同時に、ハウスクリーニング市場の価格競争も激化し、今やサービス単価の平均は3~4割は下落したと言えます。

創業当時の当社の価格設定は『相場からはちょっと安い』と見られていた価格設定でしたが、今やその価格は『おたくはどうしてそんな高いの?』と言われてしまう時代になってしまいました。

なんとかあの手この手(略)で生き延びる道を模索しながら会社を成長させ、コロナ禍も乗り越えてきましたが、コロナ禍が落ち着きを見せる(実際に落ち着いた)2023年は、コロナ禍の反動からきっと需要も大きく盛り返すのではないか?と期待を膨らませた2023年のスタートでした。

しかし蓋を開けてみると、1月、2月、3月を経て、

おや…これはおかしいぞ…もしかしてまた潮目が変わり始めているのか?

と感じるものでした。

当社の取引先で同系統の業態の取引先2社が売り上げの2~3割ダウンしたのでした。

この取引先はいわゆる『マス』の一般個人を顧客対象としていた取引先でした。つまり『マス』の需要が無くなったのか、取れなくなった、ということを示していました。

これまた前年から打っていたあの手この手(略)が功を奏してなんとかその売上減を他でカバーできたのですが、おそらくこの傾向はこの先年々強まることが予想されます。

今まで『マス』を取れていた会社が取れなくなってくる時代の突入です。
もちろん前述の比較・仲介サイトの影響もあるでしょうが、おそらくそれだけではないと見ています。

また従来は手堅い需要として見られていた原状回復に伴う空室清掃も、年末に差し掛かる頃に

『空室清掃の案件数が減り始めている!これから減っていく!』

という言説が業界をざわざわさせました。

潮目が変わりつつあるな~。

そんな中、当社も今更ながらYouTubeを2023年8月から開始しましたが、約半年で獲得したチャンネル登録者数は167人です。(少なwww)

ご登録いただきました皆様ありがとうございます!

さあこの先、YouTubeはオワコンと言われ始めたこの時代に、どうするつもりでしょうか?(笑)

そんな潮目の流れの中で、当社は2024年を、そこから先をどうやってサバイブしていくべきか?

ハウスクリーニングで自社雇用・自社施工、サービススタッフ10名以上を抱え、完全週休二日制、社員にはローンを組んで家を買えるようなお賃金を実現するというムリゲーをクリアすることは出来るのでしょうか?

どうか生暖かく見守っていただき、ほんのちょっと応援していただければ幸いです。

お仕事ください!

2024年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


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