『見習い』をお断りする理由

見習いお断り

先日『エアコンの取付をやっている者ですが、エアコン洗浄も覚えたくて、教えていただけないでしょうか?』

と、言うなれば見習い希望の電話が。

「今、そういったことはしていなくて、申し訳ありませんが…」

とお断りしました。

人当たりの良い方で、上手に粘られましたがお断りしました。
その方には申し訳なさと後ろめたさが残りましたが、断ると決めているので断りました。

創業して5年ぐらいはこういった『覚えたいんです』『教えてください』という人を受け入れて、現場に呼んで伝えらえることは伝えたり、お仕事をお願いしたりしていましたが、やめました。

理由は色々ありますが、最も大きな理由の一つは自社採用で人を育てることに本気で取り組もうと決意したことです。
心血注ぐと言うと大げさですが、誰かに何かを教え、伝えるのは自社雇用したスタッフに対してすると決めたからです。

もう一つに、片手間で教える人は社員ではないのでやはり他人だということ。
社員であれば徹底させられることが出来ないのです。

こうした方がいいよ、こういうやり方、考え方が…と伝えたところで結局はその通りやるかどうかはその人が選ぶこと、実践するかどうかもその人次第なんだと。

でもそれはこちらの勝手な正しさの押し付けでもあるので仕方ないことなんだと知りました。

またそういった駆け出しの人を『教える』『経験を積ませてあげる』という名目で都合よく下請け的に使おうとしていた自分の狡さも嫌になったからです。

もう一つに、一度個人事業主としてやられたことがある方のほとんどは、

過去現在が上手くいっていないから違うことを始めよう、覚えようとして掃除の業界に入ってきます。

上手くいってない、上手くいかない根本原因は技術じゃないのです。選んだ市場やサービスが悪かった、合わなかったからでは無いのです。

だから新しく掃除の技術を身につけても結局は同じく掃除の業界でも上手くいかないのです。

私もそうでした。

掃除の業界に入ってもちろん最初は技術の壁にぶつかりました。でも技術を身につけるためにも、過去自分が上手くいかなかった根本原因に気付けないと技術すらも習得できない、うわべの技術しか身に付かないのです。

そのことに気付かせてもらえた、いろんな人の出会いや出来事があったからこそ今があると思っています。

なんならこちらの教えたいことはむしろそっちだったりします。

でもそれは相手にとって求めていることではない、むしろうざったい、煩わしいことだったりするので噛み合いません。

技術ではない本質の部分を腹落ちするようにお伝えできるだけの人徳も資質もロジックも私が持ち合わせていないから当然です。

なので、片手間にうわべの技術だけ教えてその方を幸せにすることは出来ないと考えるのです。

今の時代、私が技術的に教えられるようなことはYouTubeに動画で解説付きで微に入り細に入り出ています。

もちろん、昔ながらの見習いと教える関係から、生涯のビジネスパートナーになることもあるでしょう。
損得ではなく、見返りなど関係なく後進を指導され、巣立っていくことを良しとする方もいるでしょう。

現在自社スタッフが10名います。

ただでさえ、自社スタッフの指導やコミュニケーションだけでも時間が足りない状況で、見習いの人に善意であれ時間を割いていたら、スタッフはどう感じるか?

自分たちの面倒も見てくれないのに、そっちのけかよ⁉と思われかねません。

ポンコツの私は自社のスタッフも指導育成し、他人の見習いも見るようなキャパはとてもではありませんが無いのです。

あと私は絶望的に人見知りです。

以上、長くなりましたが『教えてください』をお断りする理由でした。


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