たかがトイレ掃除、されどトイレ掃除

たかがトイレ掃除と言うなかれ

日常清掃のトイレ掃除とは

清掃業には日常清掃という案件があって、その中でも企業様の事務所のトイレを、大手だと毎日とか中小企業からの依頼だと週一といったペースで定期的に清掃に入るお仕事があります。

特別な技術や道具や洗剤を駆使するような作業ではなく、本来であればお客様の職員・スタッフさんでも出来ることを、本業に集中させようということでアウトソーシングされているお仕事です。

熟練も要らない、指定の範囲を一般的な洗剤を塗布して拭き上げるだけのお仕事で、いわゆる掃除婦・掃除夫と言われる、パートタイマーさんの仕事だったりします。

尿石等の頑強な蓄積した汚れがあれば、専門スタッフによって別途別料金で対応します。

そう聞くと、な~んだ誰でもできる、たかがトイレ掃除でしょ?と言われるかもしれません。

コジワンサービスでは本来パートタイマーさんがやるような日常清掃も自社の正社員スタッフが行きます。なので相場よりまあまあお高めな料金ですが、地方の立地ですと

  • パートが辞めてしまったから行けなくなった
  • 廃業したのでもう行けません

と対応してくれる清掃業者さんが白旗をあげてしまうケースもあり、少数ではありますが、社員さんが責任を持って継続してくださるならと高めの料金でもとご依頼いただけるお客様がいらっしゃいます。

しかしながら、その誰でも出来るたかがトイレ掃除も、当社の新人に行かせるとことごとくクレームが入ります

たかがトイレ掃除のスタッフ教育の難しさと奥深さ

その企業様のトイレは男性トイレが2か所、女性トイレが2か所あります。まだ改装されて2~3年程度ですので状態は綺麗です。

新人が受けた過去2回のクレームの内容は以下でした。

  1. 女子トイレの便座を上げたまま帰った

  2. 時間ギリギリに来て、あわただしく作業して帰って雑でやっていないところがあった

という内容でした。

1に関しては、そこまで落とし込んだマニュアル化が必要であることを痛感した事案でした。

『普通掃除し終わったら、便座もトイレの蓋も閉じて終わるものだろう…』

という常識、先入観というものに頼ってはならないのだなと。
やはり未経験者をゼロから育成するということはそういうことなのだと。

2に関しては、確かに間に合うかどうかのぎりぎりのスケジュールで組んでしまった会社側の落ち度ですが、ベテランスタッフも結構ギリギリの時間で訪問してやや駆け足で終わらせるということも過去何度かあったので、おそらく何らかの悪い印象をお客様に与えてしまったものと思われます。

スタッフに聞けば、やり漏れは無かったはずですと言うはずです。

会社が繁忙期になるとスタッフは他のサービスに走り回り、日常清掃は社長である私の仕事になります。

お客様は『あ、今日は社長さんがやってくれるのね!そうそう、この前来たスタッフさんね…これは伝えておこうと思って!』と上記のお申し出をいただくことに。

全てのサービスに通底する考え方を身につけさせる難しさ

新人には引継ぎで私やベテランスタッフが指導しています。

特に女子トイレにおいては作業場の注意事項が多くなります。
それは綺麗にする上でのことではありません。

これは指導マニュアルとして必ず指導することですが、

女子トイレを清掃で入る際は、必ず女子トイレの入り口扉を開放した状態で作業しなさいと。

もちろんなぜそうするのか?も噛んで含めるように説明します。

なぜそうするのか?の考え方が理解できていれば、作業後に便座・蓋を閉じて作業を終えるはずなのです。

女子トイレを男性スタッフが清掃するのは、お客様、特に女性職員からするととてもデリケートな目で見られます
その自覚を大前提に持ちなさいと。

やましいことは何一つ無いとはいえ男性の清掃員が扉を閉めて、見えない女子トイレの室内で数分間いることの不安を想像しなければなりません

また違う視点では、扉を開放した状態で作業することは、仮に見られた際に丁寧に作業しているアピールが出来るわけです。
膝を着いて丁寧に便器や床を拭き上げている姿勢をどうぞ見てください!と。見られていなかったとしても、それを意識してやるのです。
なぜなら私たちの作業を見ている人がいるとすればそのほとんどはお客様の女性職員だからです。

『慌ただしく終わらせて作業が不十分だった』

という点も時間がタイトな際は余計に見られているという意識が大切です。
新人だというのも、大抵の場合その挙動でお客様にはバレバレなのです。

通底するのは

こういう時はどうすればお客様は安心してくれるだろう?

という考え方です。

建前上、17時までに作業完了だったとしても、17時に誰もいなくなるわけではありません。17時になって初めて現地の職員さん方は帰り支度を始めますので、厳密には17時10~15分ぐらいまで猶予はあるはずなのです。

もちろんそれに甘えることを良しとするわけではありませんが、そう考えれば心にゆとりができます。いつもより作業スピードを上げたとしても、きちんとした作業がやりきれないと思えば「もう10分ほどお待ちいただくことは可能ですか?」と聞くだけ聞いてみればよいのです。

やり切る姿勢を見せるべきなのです。

それだけで

『ああこの作業スタッフさんは一生懸命で手を抜かない方だな』

という印象を持ってもらうことが出来るのです。

これはあざとさを身につけろという話ではありません。
本気でそう思って作業するのです。

パートタイマーの方は決められた作業と決められた作業範囲を決められた時間内で行うことがミッションです。

ただ、当社の正社員雇用のスタッフには、そこから一歩踏み込んだ、どうすればお客様の不安を払しょくできるか、安心感を醸成することが出来るか、満足度を高めることが出来るかを、いろんなシチュエーションの中で考え行動して欲しいのです。

それが指導する側の命題でもあると、

たかがトイレ掃除、されどトイレ掃除

お客様の声で痛感した次第です。

お仕事ください‼

以上です。

【閑話休題】

ちなみにあざといとは、社長自らが自社のトイレ掃除をしている姿をスタッフにツイートで上げさせているような社長のことをあざといと言います。一体どこの会社のしゃちょさんでしょうか…

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