お客様を選ぶことだってある
ハウスクリーニングやエアコンクリーニングのサービスをしていると、お客様からお叱りをいただくことは私含めスタッフも誰しも通る道、経験する道です。
ある年、機械加工の工場の天吊エアコン洗浄のご依頼をいただき、若手のキャリア3年目を迎えようかというスタッフを向かわせました。
現地の工場では、叩き上げの社長さんご自身がお立合い。
正直工場のエアコン洗浄は非常にやりにくいんです。
エアコンの下には工作機械や部品・材料の棚が置いてあったりと、エアコンの下が脚立を置いたりの作業スペースとなる作業者からするとエアコンにアプローチし難く苦労します。また金属を加工する工場はオイルミストと言って霧状に切削油が浮遊するのでエアコンもエアコン部品もその油でベトベトになっているので作業に時間を要します。
その社長さんはこちらの作業になぜかつきっきりで、当社の若いスタッフに対して『その道具はなんの道具だ?なんでそれする必要あんねん?ほんで次は?』と作業の一挙手一投足に横やりを入れてきたそうです。
スタッフいわく脚立の置く位置からネジの外し順、置き場所にまで口を挟まれてしまったと。
社長さんからすれば、自身の工場で安全に作業して欲しい、エアコンを大切に扱って欲しい、周囲の機械に影響が出ないようにとのご心配、配慮だったのかもしれません。
しかしそのうちにイライラを募らせ『もっとテキパキせいよ!あんた何年その仕事やってんだ!』とスタッフは罵倒され始めたそうです。
当然、いつもならもっとスムーズに終わる作業が長引いてしまい、『時間かかり過ぎだ!』とこれまた罵倒。
「もしかしたらクレームの電話入れてこられるかもしれません。それぐらい最後まで色々と何かおっしゃってました…」と意気消沈で戻ってきたスタッフの報告を聞いた私は、それは大変だったな…とスタッフを労いました。
すると案の定というかお客様からお電話が。
『あの兄ちゃんはお宅に入って何年だ?もっとベテランの職人寄こしてくれな困るわ!』と。
さらには
『見ててイライラしたから、ワシもきつく言うたったんや~』
と、教育的指導をしてあげたかのように、自慢気に説明されました。
表面的にお詫びをしつつ「その後エアコンはいかがですか?大分汚れていたようですが?」と聞くと、
『おお!よう冷えるようになったわ!』
と洗浄品質には満足していただいた様子。
しかし電話の最後にはまたスタッフに対するいくつかの小言で電話は終わりました。
その一年後またその工場の社長さんから依頼の相談が。
『また別のエアコンを今年をもやって欲しいんだが、前回みたいな若い兄ちゃんは寄こさんといてな!同じような兄ちゃん寄こしたらワシ、ギャンギャン言うてまうで!』と。
それを聞いて私は
「どのようなスタッフに行かせるかは私が決めます。社長さんから見たら至らない点が多いかもしれませんが、どうか若手を育てると思ってスタッフを温かい目で見守っていただけないでしょうか?」
とお願いしました。
その社長さんには想定外の回答だったのか、一瞬口ごもった後、
『そ、そんなん、至らないとこだらけやったらワシは言うで!』
良くない流れとだと承知しつつも私ももう意固地です(笑)
「エアコンがきちんと洗えてないというご指摘であれば率直に受け止めますが、お眼鏡にかなわなければスタッフに罵声浴びせるというようなお客様の所にはスタッフを行かせられません。」
と言い切りました。
『な…え…そんなお前…』と口ごもった後に『まあそれがあんたのとこの考え方っちゅうこっちゃな?ほんならまた後日考えて電話するわ』と電話をお切りになりました。
その後、そのお客様からご依頼が来ることはありませんでした。
お仕事ください‼
以上ですw