ハウスクリーニングと山岳ガイド
電気技士、左官、大工、型枠、内装、建築・建設等のいわゆる職人仕事の中でハウスクリーニングという職種はちょっと特殊な面があると思っています。
特殊な面というのは魅力と言ってもいいかもしれません。
うまく表現できませんが、ハウスクリーニングにはどこか社会福祉に近い貢献や癒しを期待させるところが魅力なのかなと。
そしてまたそこに魅力や理想を感じる人材が集まってくる業界と思うわけです。
しかし、そこで起きるのがその魅力・理想と現実のギャップです。
私はこれを山に魅力を感じて訪れるビギナーのハイカーと山岳ガイドに例えて考えたりするわけです。
一時期…今もでしょうが、アウトドア、とりわけ登山がブームになった時期がありました。
『山ガール』と称される登山にはまる女性が増えたりしたあれです。
登山の清々しさ、癒し、達成感、そういった表面的な魅力に引き寄せられ、登山がポピュラーになったことは、登山初心者の増加とイコールです。
そこで起きたのがその魅力・理想と現実のギャップです。
初心者のハイカーは、ひどいものではTシャツ、短パン、サンダルの軽装で登山に臨んだり、登山のイロハ・マナーを心得ない行動、自然の驚異の軽視、それらに伴う山岳事故の増加で山を管理する山岳ガイドや救助の方に迷惑をかけたりです。
『山をなめるんじゃない!』
『登山を甘く見ている初心者は山に来るべきでない!』
『資格登録制にし、排除もすべきだ』
そんな論調が当然のように起きました。
と、ここまで書けば何を言わんとしたいかわかりますね。
ハウスクリーニングの業界でもこういったことがよく起きます。
当社でも採用面接の際の面接希望者が持つハウスクリーニングに抱く魅力や理想が、入社後に現実とのギャップで打ちひしがれるというのが恒例行事となっております。
山を登り切った達成感、清々しさ、自然の美しさ、そういったものを求めてきたものの、知識やマナー、事前の準備の大切さ、装備や道具の管理、自然との向き合い方、判断力、それらが一つ欠けただけで大事故につながりかねない危険。
流石に命にかかわるようなハウスクリーニングにはそうそうありませんが、ビジネスにおいては重症・致命傷になることは多々あります。
それでも私は、可能な限り登山でいうところの山岳ガイドでありたいと思うわけです。
遭難したらば、何度でも救助に行くよと。
『山を舐めているやつは山から去れ!』
以前の私は同様に
『ハウスクリーニングを舐めているやつはとっとと辞めてしまえ』
という指導をしていました。
しかし今は、出来うる限りハウスクリーニングの職人として、お客様への貢献や癒し、達成感、自信とやりがいが持てるような人材になれるよう、ガイドしてあげることに軸足を移しています。
もちろんハウスクリーニング業の厳しい側面も伝えなければなりませんが、そこを乗り越えるためのガイドを可能な限りしていきたいと。
サンダルで来た登山者にイラっとしたりブチ切れるのではなく
「はい、まずはその靴から履き替えましょうか?」
とガイドするわけですよ。
とはいえ、理想と現実のギャップにガイド側もスタッフ側も四苦八苦している日々は表面的にはあまり変わっていません。
はい、イラっとする時もブチまではなくともプチ切れることもあります。
まだまだ私はポンコツガイドということです。
理想と現実のギャップを埋めるためにも
お仕事ください‼
お声がけお待ちしております(笑)