未払い列伝(その①)

法人・個人事業主として開業したらば、未払い・不渡り・回収不能という事案に一度は遭遇するのではないでしょうか?

スモールもスモールなお掃除ビジネスにおいても、例外ではありません。

私もしたくないそんな経験も一度や二度ではありませんでした。
そんな未払いの体験をご紹介したいと思います。

未払い

とあるリフォーム屋さんの未払い

そのリフォーム屋さんは社長と下の若い子(社員)の2名でやっている会社さんで、私が開業間もない時からお仕事をいただき始めて3年ほどの付き合いがあり、取引量は太くはありませんが切れることなくお付き合いしておりました。

ある年、その社長さんが協力会社さんを一堂に集めてバーベキューパーティーを開いてくれました。
当社の他、内装や設備、リペア、資材販売会社さん、職人さん・営業マンと15名以上の人が集まっていました。
そこには社長さんの奥様と小さなお子さんも来られていてました。

そこで社長さんは『今年は飛躍の年にしますので皆さんのご協力を是非に!』と挨拶されていました。
奥様も甲斐甲斐しく飲み物食べ物を配しながら、私はじめ各協力会社の職人さんたちに『主人の会社をどうぞよろしくお願いします』と頭を下げて回られていました。

社長さん気力旺盛だな~と思いつつ、そんな場を設けていただいた以上、意気に感じて一層協力をしていかねばと思った次第でした。

その数か月後、掃除屋としてはまあまあまとまった何十万という額の仕事をした分の入金が、本来の支払い月にされないとということが起きました。

社長さんに確認をすると

『今ちょっと大きな仕事を立て続けに受けた関係で資金繰りが回らなくて、銀行と話し合ってるんだ。その仕事が入金になれば一気に楽になるからちょっとだけ待ってもらえないか?』

う~ん、確かにその社長さんから今までに無いマンションの大規模修繕に絡む美装の仕事をいただいていて、え?こんな仕事受けられるんだ、受けたんだ…という気はしていましたが、危険な香りが漂っていたのは言うまでもありません。

しかし、1か月、2か月と待てど入金はされません。

したくはありませんが督促の電話をすると、
『大きな仕事で信頼していた人に裏切られて…』
『今、銀行と話し合いをしてて…』

と悲壮感漂う口調の説明。
絶対になんとかするからという言葉で「わかりました、待ちます」と。

その数日後に電話がり、その社長さんの仕事で過去も何度かした介護施設のエアコン洗浄で、これまた数十万の仕事をまたやってくれないか?と。

「いやいや、まずは支払いが先でしょう?」
ただでさえ、既に回収が怪しい状態でこれ以上売掛を大きく出来るわけがありません。

しかし社長さんは食い下がってきて、
『エアコン以外の仕事もこの施設から受けていて、その入金があったら一息つけるんだ。コジワンさんの今までの分もまとめて払える。助けると思って受けてもらえないか?』

数か月前にはBBQをしてもらって奥様にもよろしくと頭を下げられたこと、楽しそうに遊ぶ社長の子どもさんの記憶が頭をよぎり「わかりました」と承諾しました。

作業後、売掛は100万近くになりましたが、入金日には振り込みはありませんでした

電話をすると『滞納していた社会保険料が一気に引き落とされてしまって、支払えなくなってしまった…』との説明。

いやいや社長と社員二人の会社の社会保険料がいくら滞納していたとはいえそんな額になるわけが…とも思いましたが、そんなことを指摘しても意味の無い状況。

その後はお決まりのコースで、電話は不通になり、書留の郵便物も届かない、自宅兼の会社にも誰もいない。

諦めた数か月後に弁護士からその会社の『事業停止』のお知らせが届きました。

欲をかいた…と言われればゼロだとは言い切れませんが、情に流され、経営者として甘い判断が招いた結果でした。

あの出来事からもう10年近く経ちましたが忘れられない教訓です。

挽回したいので、

お仕事ください‼(笑)

(おしまい)


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