真面目にコツコツだけでは超えられない壁
ハウスクリーニングという業界は参入障壁が低いってよく言います。
単に『自分にも出来そう!』というイージーな感じがするというイメージがありますが、それとは別に、どこか
【真面目にコツコツと取り組めば報われる職業】
というイメージがお掃除業界の魅力であり、人を惹きつける気がします。
しかし、この業界に参入・就職した人がぶつかる最初の壁が
真面目にコツコツだけでは超えられない壁がある
と思い知らされた経験をお持ちなんじゃないでしょうか。
お掃除ビジネスの業界を志す人は
一攫千金、儲けてやろう、楽して稼げそうだ…と思って業界に入ってくる、入ろうとする人は稀だと思います。
むしろ
真面目にコツコツと、誠意を持って作業にあたってお客様と接すれば感謝され、報われる。優先順位としてお金よりもそこに魅力を感じるような人が多いように感じます。
自称、誠意が服を着て歩いているような私もその後者の一人でした(異論は許しません)。
真面目にコツコツと、誠意を持って依頼に取り組んでさえいれば、仕事に恵まれ、お客様に感謝されて、大きくは無くても対価としてお金がもらえる。
そんな理想を描きながらこの業界に参入し、起業したものの、早々に超えられない壁にぶち当たりました。
そこには人生経験で得たお掃除の作業や知識、体力にものを言わせて汗さえかけばなんとかなるようなような、そんなクオリティーで通用するような現場はほとんどなかったのです。
ハウスクリーニングという職業は、圧倒的な技術と経験値、創意と工夫、ホテルマン並みの気配りを必要する、まさにプロフェッショナルな世界でした。
真面目さや誠実さももちろん必要な素養ではありますが、それまでの人生経験で得たスキルの延長で出来るようなことではなく、ゼロベースから身に付けなおさなければならない技術ノウハウ、考え方、接客・接遇のスキルを要することに愕然としました。
体力には自信がありますと、いくら汗だくになって、くたくたになるまで頑張って掃除しようが、正しいロジックに裏付けられた技術・接客ノウハウ、経験に裏付けられたクオリティを実現しない限り、お客様の評価は得られないし、お金はいただけないのです。
「俺は今までの仕事人生でこうやってきた」
「俺のやり方、考え方はこうだ」
ともすると年齢と今までの人生経験が邪魔してしまう面もありました。
まさに、何歳であろうが『ピカピカの一年生』の気持ちと、素直さと、謙虚さと、を持ち合わせなければならなかったです。
それまでの人生経験は一旦白紙にしなければならなかったのですがこれがなかなか出来ませんでした。今思えばくだらないプライドというやつです。
おそらくは、事業主であれ社員であれ、お掃除ビジネスの業界に参入された方の多くは『あれ?思ってたんと違う…』と感じた壁が、真面目にコツコツだけでは超えられない壁なんじゃないかと思うのです。
また何より、たかが掃除だろ?余裕余裕。と甘く見ていたという自分を認めるところからスタートだったなと。
甘くなんて見てないですよ~と言いながら、心で思いながらも、振り返れば甘く見てたよな~、取り組みも考え方も甘かったよな~と反省することばかりの掃除屋人生でした。
新人スタッフも最初の壁がこれなんじゃないかな~と思う次第。
なんとか乗り越えてもらいたいものです。
というわけで、
お仕事ください
(必死)