売上目標なんて立てちゃダメ、絶対!

『今年の売上目標は〇〇〇万円を達成するぞ!』

当社ですか?当社に売上目標なんてありません。
というより立てる意味が無いと思っています。

売上目標

清掃業で売上目標を達成しよう、あともう少しで達成しそう、なんてなったら何をするか?

出勤日数増やす(休日減らす)か夜勤するか、ブラック労働するしかないのです。

個人事業主が、自らそれをする分には構いませんが、それを社員や協力業者に強いて売上目標を達成しようとする。

なぜなら単価なんか一気に5割増しや倍になったりしないので、数で売上を稼ぐしかないわけですが、数をこなすのは生身の人間です。
業界では稀にターミネーターみたいなマシーンのようにオール(寝ずに朝昼夜稼働)して数をこなす人もいますが、普通はおのずと限界に達します。

人間だもの。

清掃業で売上目標立てる意味が無いもう一つの理由。というか最大の理由。
売上を左右する最大の要因は営業不足でも社員個々の努力不足でもない。

『人が辞めること』

なんです。

売上を作るのは生身の人間です。
その人がいなければ、どんなに営業して仕事を取ってきても、どんなに残った社員が頑張っても(ブラックさせても)、辞めた一人の売上仕事量を残った社員がカバーすることなど出来ないのです。

鉛筆ナメナメ、あの取引先の仕事を取ってきて今年の売上はこれぐらいアップするから今年の売上目標は…なんて計算は、社員が一人辞めたら簡単に意味の無いものになってしまうのです。

会社や親方がやらなきゃならない最大の努力課題は、売上目標の設定や営業でも単価交渉でもなく『人が辞めない環境を作ること』なんだと。

これに腹落ちするまでに私は8年かかりました。
それまでは社員のためだ、本人のためだ、会社・仕事ってもんはこういうものだ、と価値観を押し付け、修養だと苦行を強いていました。
社会貢献だ、お客様に貢献だ、チームワークだとお題目を並べても、社員に『辞めたい』と思わせてしまったら、辞められてしまっては、どんな綺麗事や理念も全て吹っ飛んで何も残らないことに気付きました。

社員を抱えるような会社ではない、個人事業主・一人親方でも一緒です。

ご自身が『もう嫌だ、苦しい、限界だ…』と感じる無理な仕事の受け方を続けて、自身の機嫌をそこね、身体を壊してまで達成しようとする売上目標とはなんぞや?という話です。
愛する家族のためにと立てた売上目標を達成するための仕事が家族を不幸にしていては本末転倒です。

社員が日々気持ちよく、末永く働ける職場環境・労働環境を作ること。

親方自身が機嫌よく、健康を維持しつつ働ける仕事量と取引先を選ぶこと。

これを心がけ、実践していれば、売上げは勝手についてくる、そう思うわけです。

しかし、世知辛い、生き馬の目を抜くこの業界、それでもなお、世の社長、事業主はこう言ってしまうのです。

お仕事ください‼

と。

私もまだまだ修養が足りないようです。。。