事務所撤退の想い出

今朝、事務所に向かう道すがら、思い出深い桜並木に目を奪われ、思わず車を止めて写真を撮りました。

創業時、この桜並木の河川沿いにあるアパートの一室を借りて会社の事務所として事業をスタートしましたが、半年で事務所を撤退したことを思い出しました。

桜を見ると思い出す事務所撤退

お掃除ビジネスのいいところは小資本で事務所要らずでも始められるところ。
自宅を事業所の所在地として事業活動されている事業主の方の方が圧倒的かと思います。

にも拘わらず創業当時の私は、お客様に格好がつかない、自宅では仕事に集中出来ない、ここで雇用したスタッフや事務員に来てもらって…等々を夢想していました。

ですが創業時の現実は、妻に仕事に行ってくると言って家を出るものの、

鳴らない電話、

行くあても無い現場、

出番のない道具資材を整理したり、

慣れないパソコン操作に四苦八苦したり、

パソコンで市場調査と思いながら同業他社のホームページやブログを羨望の目で見る…

なんとも非生産的なことをその事務所でしているだけでした。
スタッフを雇うどころか自分の食い扶持を確保することすらままならない状況が続きました。

多少の蓄えを用意して始めた事業も、徐々に徐々に通帳の残高は減る一方。

そんな時に藁をもすがる思いで教えを乞うた業界の先輩に、自身の事業に対する甘さ、事務所を構えられるような状態ではないことをそれはもう厳しく指摘されました。

幸いにしてポツポツと仕事量が増えてくると余計に事務所を留守にし使用する時間は減る一方。
事務員やスタッフを…なんて甘いもいいところ。最初はすべてを自分一人でこなしてこそでした。

どう考えても無駄な支出で、合理性もない事務所を、構えた事務所を畳むなんて…と見栄でズルズルと先延ばししていましたが、撤退し自宅を拠点として出直すことを決断をしました。

事務所を構えて約半年の、ちょうど今日のような桜の綺麗な季節でした。

本当に今思えば恥ずかしい、事務所移転の案内をする相手も片手で余るくらいの数でした。

事業を始めようとすると、どうしても自分が大きくなった気がして、分不相応なことにこだわってしまったりします。

お掃除ビジネスはスモールビジネスな分、格好や体裁よりも、徹底した固定費の削減が必要です。繁閑の波もあります。

他山の石としていただければ幸いです。