甘い話には罠があるよね~

仕事、欲しいですよね。
特に閑散期、スタッフ抱えてますと遊ばせるわけにもいかないので、なんか仕事無いかな~、来ないかな~と経営者としてはやきもきするわけです。

そういう時に限って甘い話が降ってる来たりするものです。

甘い話

創業3年目のことだったと記憶しています。
当社は大阪なんですが、東京のテナントの保守をしている業者さんから仕事を受けてくれないか?というお声がかかりました。

聞けば、某カフェチェーンの業務用エアコンの洗浄作業で、大阪市内で十数店舗あり、1台単価は安いものの全店舗分で合計120万円ぐらいのボリュームでした。

時期も2月初旬と閑散期真っ只中。
喉から手が出るくらい欲しい案件。

しかし、電話一本、大阪と東京で当然会うことも出来ない相手。
会社情報をインターネットで調べても商工会だかに登録されている情報で社名と住所しかない。
ホームページは無いものの社歴はそれなりにあるようでした。

お若い男性の担当者は軽快なしゃべり口で

『実は僕、今は東京ですが生まれは大阪府泉佐野市でゆくゆくは大阪の方に帰るんですよ~。この案件、毎年になるんで来年もお願いすることになるんで~』と。

話はトントン拍子に『信頼できる貴社にお願いしたい』と。

見積書もその会社に送り、見積書が届いたかどうか確認をしつつどんな会社か電話で探りを入れると、女性の事務員さんが「担当に伝えます」と対応をしてくれました。
事務員さんもいるそれなりの会社の様子。

少しでも情報が探りたい私は、当時流行っていたFacebookで担当者の名前で検索をかけました

すると〇〇会社勤務というその会社名で、年齢も同姓同名のアカウントが発掘できました。出身地も大阪府泉佐野市とあり、嘘ではないようです。

ん~…まあ信用してもいいかな~と思ったものの、そこはすでに「信用できる」というよりも「信用したい」「仕事欲しい」という私の深層心理がそう思わせていたのでしょう。

夜間作業になるので当時自社だけは対応しきれなかったため、協力業者さん何人かのスケジュールも抑えさせてもらいました。

でも仲のいい職人の子が

『社長、東京のその会社、大丈夫なんですか?とりっぱぐれたりしないんですか?』と。

「う~ん…まあ万が一のことがあってもはそちらへの支払いは必ずするからさ」

と言いながらも、施工日が近づくにつれ不安は募る一方でした。

窓口のその若い担当者の口調からなにから軽いのが不安に拍車をかけました。

施工日を1週間後に控えたある日、不安に突き動かされるようにもう一度Facebookを確認してみると、そこには驚愕の新たな書き込みが。

〇〇会社退社

〇〇社を起業

と経歴にかいてあるではないですか…

え、どういうこと、聞いてないよ⁉

慌てて、見積書を出した会社に電話すると、担当者は確かに辞めていて、その案件についてその会社は担当が引き継がずに辞めたため手を引いてノータッチだと。

返す刀で担当者の携帯に電話をし、そのことを問いただすと

『その案件は新しく起こした僕の会社で対応します。後でお伝えしようと思ってました。』

と悪びれず言うではありませんか。

「いやいやいやいや、それはアカンでしょ⁉
無理無理無理無理、もううちは引かせてもらいますよ!
困るって言うならお金を先払いしてくれるならまだ考えないでもないけど…」(←今思えばここで未練だしちゃダメだったよなとも)

『いや、僕も独立したばかりなんでお金に余裕がないので無理です。お支払いもカフェの運営会社からの入金が済んでからになりますのでおそらく3か月後になります』

とこれまた悪びれずに言うではありませんか…

「これは無かったことにさせてもらいますわ、他当たってください。それじゃあ!」

と私もいよいよきっぱりとあきらめが付いて電話を切りました。

危ない、危ない、Facebookでチェックして良かった~!
Facebook、神だわ~と当時思ったものです。

仲のいい職人の子にも確保してもらっていたスケジュールが白紙になったことを詫びると

「いや社長、それで良かったと思いますよ」と。

おそらくは客観的に見て、ああ社長さん欲目に駆られて危ない橋渡ろうとしてるわ~と見えていたに違いありません。お恥ずかしい…

以上、

皆さん、甘い話には気を付けましょうね~、欲目に駆られると冷静な判断が出来なくなりますよ~という私の体験談でした(;^ω^)