自らの価値に値段を付けることを恐れない

商品は自分自身だ。
ハウスクリーニングを始めて痛感したのはこのことでした。

自分自身の価値に値段を付けることを恐れてはならない

自分に自信が無ければ値段を下げるしかなく、自身があれば胸を張って値段を高く設定することが出来る。

私が愛読している今週号の『味いちもんめ』。
デカ盛り安売りの食堂との競合に悩む料理人の一話。比較仲介サイトによるハウスクリーニングやエアコンクリーニングの価格破壊の波に呑み込まれる我が業界にも刺さる一話でした。

話しはこうでした。
昔ながらの味を大切にする小料理屋さんが、近所の『デカ盛り安売り』をする定食屋さんの影響を受けて売上げが芳しくなくなってきたことを受けて、自分も値下げすべきかどうか迷い始めました。
しかし、料理の材料代や光熱費は値上がりの一途。

迷った末に、料理の師匠に相談したのが下記。

『味いちもんめ』より①

師匠は一杯のお吸い物の椀に1万円の値を付けると。
価格には自分の苦労経験・創意工夫のすべてが詰まっていると。その自分自身の価値を下げるわけにはいかないと。

そして最後に自分自身の価値に値段を付けることを恐れてはならないと師匠は諭します。

『味いちもんめ』より②

そんなこんなで自分を貫こうと決めた小料理屋の店主に馴染みのお客様から『デカ盛り安売りの定食屋が潰れて夜逃げしたぞ』との情報が。
『こんな量をこんな値段で、凄い凄い!』と持ち上げられてお客様への貢献を自慢するも、実態は火の車。デカ盛り安売りをやめるにやめられず店を夜逃げすることになったと。

『味いちもんめ』より③

これね、ハウスクリーニングの業界でも同じことが起きている気がします。

デカ盛り安売りのハウスクリーニング

私が会社を創業した12年前と今では、価格相場が大幅に値崩れしてます。

『あれもこれもサービスでやります!』

『なのにお値段は大手の半額以下(1/3、1/4)!』

比較サイトではそんな業者で溢れかえっています。
そんな業者は、果たして5年後、10年後、生き残っているのでしょうか?

比較サイトで競争しているそこのあなた、デカ盛り安売りで、5年後、10年後の自分の未来をイメージ出来ていますか?

おわりに

ダイヤモンドがある。
相場は10万。でも自分は5万で売れたらそれでいい。

5万で10万のダイヤと同じ価値を市場に提供する俺凄い!
 
いや、それはね、ハウスクリーニング市場の焼き畑農業なんですよね。
乱獲や森林伐採と同じ。

本当はダイヤモンドの価値を、それにかかわる事業者全員で維持していかなければならないと思うわけですよ。
お客様が安心して業者を選び、見合った価値を享受するためにも必要なことなんですが『悪貨は良貨を駆逐する』が起きてしまっていて、この流れは一事業者では止めることは出来ないんだろうな…。

まあ、なんて悲観してても仕方ない。

自分自身の価値に値段を付けることを恐れずにやっていくしかありませんよね、師匠!