ハウスクリーニングを依頼する罪悪感のある時代
私がハウスクリーニングで開業した12年前の当時はよく主婦のお客様から
『主人に内緒で頼んだんで、主人のいない日で日程調整したいんです』
という声をよく聞きました。
つまりハウスクリーニングを依頼するというのは、周囲の理解を得難い、うしろめたさ、罪悪感を伴うサービスだった時代とも言えます。
専業主婦の世帯では、ご主人から『家にいるんだから掃除ぐらい自分でしろよ?』という価値観が主流だった時代があったわけです。
いや、共働きであっても家事育児は女性がするものだという価値観が強かった時代です。
これは親世代はもっと顕著で、それこそは義理の母親(=姑)に家事代行やハウスクリーニングを依頼したことがバレようものなら、嫁失格の烙印を押されかねない…という価値観の時代ですね。
私がTwitterでこの話題に触れた際には同業者さんからこんな事例もいただきました。
『看板付いてない車で来て下さいってのも昔は何件かありました!』
(Twitter@hanaichi052さんより)
これはご近所さんの目を気にされた事例ですね。
『あら、あそこの奥様、ハウスクリーニング業者に依頼してるわ。あらまあ羽振りのよろしいことで~!』
と嫌味を言われかねない、近所で変な噂をされかねない、ということへの配慮を求められた事例でしょう。
近年では、以前に比べるとそういった声をお客様から聞く機会はずいぶんと減りました。
その背景には、共働き世帯の増加や、育児環境の変化もありますが、最も大きいのは、
家事や掃除をお金を払って代行してもらうことへの価値観の変化がここ10年で起きた、または認知されたということかもしれません。
家事代行やハウスクリーニング、ベビーシッター、その他の生活関連のサービスをお金を払って外注することは、
むしろコスパが良い!
という議論もTwitterはじめSNS上やワイドショーなどでも頻繁に起きたのもここ数年の流れです。
とはいえ、まだまだ以前の価値観が根強くあるのも事実です。
私共も、お客様宅の出入りの際にご近所の方と思しき方から
『おたくさん、なんの業者?』
と話しかけられたりします。
中には根掘り葉掘りと
『このお宅はどんなサービスを頼んだんだ?』
『それはいくらくらいのサービスなんだ?』
と聞かれたりします。
この時に
「お、この人はサービスに興味があるのかな?新規のお客様になりそうだ!」
と色気を出してベラベラとお客様の依頼内容を喋ってしまうとお客様にご迷惑が掛かってしまう場合があるかもしれない、という認識は持っておかないとなりません。
この辺はスタッフ各位にも改めて周知しておかないとな~と思った次第です。