倒産と再起

倒産と再起

『倒産』というパワーワード

事業主にとって『倒産』という言葉ほど負のパワーを持ったワードは無いでしょう。

私は前職で父と事業をゼロから立ち上げた際に、創業期には何度も『倒産』というワードがチラついた時期を経験しました。

会社を立ち上げたはいいが、お客様が中々開拓できず売り上げが立たない。仕入れ先と社員の給料を払い終わると自分たちの明日の食事代すらままならない。

当時23~24歳だった私も、銀行だけでなく会った記憶もない親戚にお金の相談に行ったりしました。
ある意味世間知らずで若かったから出来たことですが、恥ずかしさを通り越して本当にそうせざるを得ない、金策出来るかどうかで会社も社員も、ポット出の会社を応援で取引開始してくれた顧客に顔向けできなくなる状況が金策に駆り立てていました。

幸いにして何とかその会社は軌道に乗り、個人的な借り入れは全て返済することが出来ました。

でも本当にギリギリ、どこかで一歩踏み間違えていたら、あそこと取引が決まってなかったら、あの注文の入金がなければ、そんな状況を渡り切った、まさに漫画【カイジ賭博黙示録】の鉄骨渡りの心境でした。

【カイジ賭博黙示録】

倒産の可能性が低いお掃除ビジネス

軌道に乗った会社は父と兄に任せて、自分は新たな事業を始めようと模索しました。

前職が機械工具系のメーカーだったため、モノを作って仕入れて売ってお金になるまでのサイクルが長く、とにかく資金繰りの恐怖がありました。

倒産=資金繰りのショート

です。

新しい事業を始めるにあたり、資金繰りの苦労が無い事業にしようということを大前提にしていました。

そこで目を付けたのが、今のお掃除ビジネスでした。

サービスコストのほとんどは自分の人件費です。
売れるかどうか、注文になるかもわからないまま売り上げを立てるための仕入れをする必要もありません。
事務所も自宅ですれば固定費は限りなく少なく済みます。

たしかに開業時に仕事に恵まれずに苦労はしましたが、アッという間に貯金が溶けるようなビジネスモデルでは無かったので、その時期を耐え凌ぐことが出来ました。

その後、人を雇用して現在は十数名の会社になりましたが、サービススタッフのスケジュールさえ埋められれば給料を払って会社を回していける、資金繰りなど気にせずどんぶり経営でやっていけるお掃除ビジネスの気楽さに甘えながらなんとか現在に至っています。

とある倒産し再起した会社社長との出会い

そんな中、当社の新規の事業で取引することになったとある会社の社長さんとお話しする中で、その会社は丁度私が前職の会社を立ち上げたバブル崩壊後の不況真っただ中の時に倒産を経験し今の会社はその後再起した会社だとのことでした。

『その際に迷惑をおかけした仕入先、関係先で、現在も取引を継続している先には今でも恩義…というより借りを返す気持ちで今もやっています』とのことでした。

今時ですが、その会社さんとはX(旧Twitter)がきっかけで取引開始に至ったのですが、その会社に訪問した際に、私が

「Xでも御社のことを宣伝させていただきますね!」

と受付の担当の方にも伝えると、その方がボソッと

『あまり会社が儲かっている、社長のプライベートが充実しているような印象を与える写真をX(旧Twitter)とかに上げるのはどうなんでしょうかね…』

と仰いました。

その時は「ん?なんで?どういう意味だろう?」と思いましたが、一度倒産を経た会社さんだという話を聞いて、なるほどそういうことか…と理解しました。

倒産の十字架をどこまで背負うべきか?

私自身も前職で会社が倒産するかしないかの瀬戸際を歩いていた際には

「ああ、自分の残りの人生は借金を返したり、ご迷惑をおかけした関係先に借りを返すために生きる人生になるのかな…」

と何度も頭をよぎった経験をしたことから、全く他人事には思えませんでした。

しかし二十数年前に倒産したその会社は現社長のおじいさんが立ち上げた会社で、現社長は年齢的に倒産の際にはほとんど経営に関わっていなかったはずです。

再起した会社の社長になったのも数年前とのこと。

倒産とは、確かに仕入先に対して支払いを踏み倒す行為だとも言えます。
踏み倒された方の会社や人生を大なり小なり狂わせた行為です。

私の前職で資金繰りに窮している時に、未払いや不渡り、相手の倒産に合いより危機に拍車がかかったこともありました。

債権者集会にも出ました。その集会で『債権を放棄することに合意してください』と言われ「ハア?合意できるかい!こっちが社員の給料払えなくなるやんけ!?」と感情的にもなりました。

そう言う意味では合法であったとしても道徳的にはよくない印象です。

ただ、ビジネスという面で言えば取引相手の倒産もビジネスです。そういった会社を選んで回収不能に陥ったのは自己責任とも言えます。

仮に倒産した会社が当時放漫経営していた、当時の社長が散財していた、責任を放棄して逃げたとか、真実はわかりませんが、過去のことがどうかを言ったところで現在や未来が変わることは無いと思ってます。

大切なのは再起を図った今の会社がどうであるか?それだけです。

少なからず私は、現社長の経営するその会社と社長自身は魅力的で取引し応援するに値する会社だと感じられました。

むしろ応援していただく立場の吹けば飛ぶような当社が言うのは何様目線だという話しですが(笑)

おまけ~廃業することはあっても倒産することは無いお掃除ビジネス

繰り返しますが、お掃除ビジネスの魅力の一つに

資金繰りの苦労が無い

倒産が無い

ということも言えると思ってます。

仕事に恵まれず期待する売り上げが立たずとも、いうなれば『安月給で働いている』だけで、

生活が成り立たずに廃業

はあってもそうそう倒産はありません。

ただ、倒産は無くとも支払い先が『飛ぶ』ことはままありますが。

この辺は別のブログを是非ご参照ください。

『未払い列伝(その①)』
未払い

『苦い経験をした社長が未収金を防ぐ新規取引先を選ぶ条件』
信頼の条件

以上、なんだかとりとめのない話しでしたw