「社長さんに来てもらって良かった」と言われた悔しさ

先日「中古のマンションの一室を購入したのでハウスクリーニングをお願いしたい」というお客様からお仕事の依頼のお電話をいただきました。

お客様のたってのご希望で『社長さん(私)に来て欲しい』とのことで若手スタッフ2名と私で訪問し、結果的に大変喜んでいただけたのですが、同時に内心とても悔し想いをすることになりました

悔しい思い

そのお客様はありがたいことに、当社のホームページを隅々まで見ていていただき、Twitterまでご覧になっていたお客様で「こちらの業者さんなら間違いないなと、コジワンサービスさんに是非お願いしたいと思いました!」と言っていただけました。

スケジュール上、若手スタッフ2名で対応することを伝えると

『社長さんに是非来て欲しい』

とのご要望。

「若手ですが、十分研修訓練・経験を積んだ者ですからご心配なく…」

とお伝えしましたが『どうしてもお会いしたいし、社長さんに現場を見て欲しい』と強い要望を受けて、並々ならない気持ちを感じ取って、調整して私も現場に行くことにしました。

そのマンションの一室はお客様いわく競売に掛けられていた物件で、前の入居者が一切手入れせず退去し、そのまま競売に流れた物件らしく、長期間空室のまま放置され、お世辞にも状態はよろしくありませんでした。

浴室とトイレのクリーニングと各排水パイプの高圧洗浄を承っていたのですが、浴室の排水は錆びて腐食した金属性の排水トラップ部品が粉々になって沈殿し詰まっていました。トイレも室内の壁と扉はカビだらけで、便器もタンクも全体が水垢で薄っすらと黒ずんでいました。

水回りの設備は、毎日のように使用しているものだと、たとえ汚れていても比較的汚れ落ちは容易なものです。むしろ汚れた状態で長期間未使用な状態が長いと汚れが固まってしまい、なかなか緩ませて落とすことが難しくなります。

いつもの慣れた汚れと異なり、苦戦する若手スタッフ。当社の綿密な研修指導を経て経験を積んでいる若手のエース二人とはいえ、いつもより時間がかかっていました。

お客様も作業中もずっと会話をしながら質問も交えながら興味深く作業をご覧になっていました。
スタッフ二人が一応の作業を終えて、最終チェックの段階で私の目から見ても、ところどころ薄皮一枚汚れが残っている状態の仕上がりでしたが、スタッフ二人は息も絶え絶え…。
選手交代で私が仕上げることに。

本来なら二人でも2~3時間の作業時間のはずの作業が、3人で4時間以上の時間が経過していました。

やっとのことでお客様のご納得、ご満足していただく仕上がりに持っていき、お客様には

『ここまで綺麗になるとは思っていませんでした!!』

と大変ご満足いただけました。

同時に

『いや~、やっぱり社長さんに来ていただいて本当に良かったです~。社長さんに来てもらわなかったらここまでの仕上がりにならなかったかもしれないですもんね~。』

と。

事実スタッフ二人のその時点の実力では課題の残る仕上がりで終わっていました。

『社長さんに来てもらって本当に良かった』この言葉をいただいて私は嬉しいかというと全く逆でした。

自信を持って送り出している自社のスタッフが、難しい現場であったとはいえ、まだまだお客様のご満足を勝ち取れるパフォーマンスを発揮出来なかった。

その責任を一身に感じたゆえに、悔しさが込み上げてきました。

スタッフはそれまでも懸命に向上心を持って、研修を受け、自己研鑽し、経験を積んできてくれていました。
職人仕事ですので経験に勝るものはありませんので、経験年数が実力に比例するところはあります。

しかし、どこかで日々のフォロー含め指導に掛ける労力がおざなりになっていたのではないか?成長を本人任せで放置になっていなかったか?

指導育成する立場として反省材料となる貴重な機会をお客様からいただいた一件でした。