人材育成を妨げていた最大の要因に気づく

人材育成って難しいですよね。恥ずかしながら、当社においても採用はすれど辞めていくを繰り返していました。

ハウスクリーニングという仕事の特殊性から、なかなか長続きする、させるのは難しいのかな?社長が社員を、上司が部下を、先輩が後輩を、師匠(親方)が弟子を、どうやったら育成が上手くいくのかな?なんで上手くいかないんだろう?と悩んでいました。

2019年は、創業以来、人材育成・指導についてずっと悩んでいた私が、人材育成の考え方を180度と言っていいくらい根底から考え直した年でした。

そう、気づいてしまったのです。

人材育成を妨げていた最大の要因に…。

人材育成の妨げ

それまでの人材育成のスタンス

私は人材育成において、

厳しくしないとダメな人がいる厳しくしないと育たない人がいる、そう思っていました。

仕事を覚えるのが遅いのは本人のやる気・工夫・向上心が足りないせいだ、と。

わからないことを聞いてこないのは本人の甘えが原因だ、と。

「この仕事を本気でやる気があるのかな?」

「この子はいつまで続くかな?」

「きっと長続きしないんだろうな…」

常に新人に対してまずは疑いの目で見ていました。

そうです、
ダメな理由を相手にばかり求めていました

恥ずかしながら2018年から2019年初頭にかけて、当社では4人ものスタッフが退職しました。

私は彼らが会社を去っていった理由を

ハウスクリーニング という特殊な仕事に馴染めなかったからだ。

仕事の厳しい面に耐えられなかったんだろう。

もともと本気じゃなかったんだ。

それらが原因だろうと片付けようとしている自分がいました。

本当の原因、真実から目を背けていました…

判で押したような退職理由

「社長、ちょっとお時間よろしいですか?お話が…」

過去の経験から、新人がそう切り出した時の話の内容には大体察しがつきます。

あ、辞めたいって話だな…と。

その都度、私は辞める決心をするに至った新人に、

「意思は尊重するから、良かったら辞めたいと思った理由を教えてくれるかな?それについて否定も肯定もしないし、ありのまま教えて欲しいんだ」

と。

すると、判で押したように、

「ハウスクリーニングという仕事そのものはキツイとか耐えられないとかは無かったです。むしろ、こんなに綺麗に出来るんだ!こんなに喜んでもらえるんだ!って楽しかったです。」

「でも…ちょっと色々…この会社では続けていけないかなと…」

いずれの退職者も、ほぼほぼ上記の回答でした。

新人が辞めるに至った本当の真実

その都度、私は

「まあ、本当のことは言わないわな」

「給料も安いし、仕事も楽じゃないし、無理だと思ったんだろうな」

自分を納得させていました。

しかし、辞めていった彼らはきちんと真実を伝えていました。

ハウスクリーニングという仕事は楽しかったです」と。

じゃあ、辞めていった理由、真実は何か?

私は無意識にその真実を受け入れるのを拒否していたのかもしれません。

それは、退職者が最後に口ごもった言葉の中にありました。

「この会社では続けられない」

ということです。
もっと言えば

「社長、あなた、あなたの会社を好きになることができませんでした」

これが真実だったのです。

やる気や向上心が無い子などはいなかったのです。
甘えや不真面目さを持って、腰掛け感覚で当社に入って来た子はいなかったのです。

新人は皆、

先輩方の足を引っ張って申し訳ない!

早く戦力になりたい!

会社に、お客様に貢献したい!

と一生懸命でした。

人材育成を妨げていた最大の要因は…

出来ないのはやる気が無いせいだ

向上心が無いせいだ

根性が無いせいだ

長続きしない、出来っこない

甘えた気持ちで今まで生きてきたんだろう

俺が厳しく育ててやらなきゃこいつはモノにならん

という、人材に対する疑い、不信、傲慢な目線を持った先輩上司(私)がいたことが原因だったのです。

仕事が嫌になったのではなく、社長・先輩上司・会社が嫌になったのが原因だったのです。
そうなんです、問題があったのは彼らの方にではなく、先輩上司・会社の方にあったのです。
原因は「この社長の元では働き続けることは出来ないな」「好きになれないな」「自分を認めてくれないな」と思われたことでした。

人材の育成・定着には、この真実を受け入れることからしか始まらないと強く思いました。


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