夫婦関係の危機を乗り越えた話

現場仕事の多い職人さんは何かと緊急対応や想定外の予定の変更等でプライベートが犠牲になるケースが多いのではないでしょうか?妻帯者の方は、そのしわ寄せはとかく家族、特に奥様にいくケースが多いのではないでしょうか?
多分に漏れず、私もそのようにして夫婦関係の危機を何度となく経験いたしました。それをなんとか乗り越えた話を、爪の先でもどなたかの参考になればと思いご紹介します。

私がハウスクリーニンで独立開業を志したきっかけは、前職が出張・出張で週末だけ家に帰るような仕事で、その土日さえも展示会や納品・立ち合いといった形で仕事になるような生活でした。家のことは妻に任せっきりで、当時生まれた長女も2歳までは週に1~2日しか一緒にいられないような生活でした。

そんな生活を変えたいという想いもあり、独立し自分が事業主になれば仕事のコントロールもより出来るようになる!家族との時間も増やせる!そう考えてこの仕事を始めました。

しかし、現実はそう甘くはありませんでした…。

夫婦関係の危機

この仕事はいつなん時仕事の依頼が来るかわかりません。電話が鳴れば早朝でも夜の8時だろうが9時過ぎだろうが、休日だろうが出ます。家族で買い物中だろうが旅行中だとしても電話に出ます。仕事を逃すわけにはいかない焦燥感が常にあります。トラブルやクレームがあれば家族との時間を割いてでも走って駆けつけます。事務作業は家でします。プライベートと仕事の境界線は有ってないようなものです。
社員を雇い始めてからはそれに拍車がかかっていました。

すれ違う夫婦の想い

円満だったはずの家庭も、妻は常にイライラし、何かにつけて「自分のやりたい仕事ばかり出来ていいわね」「主婦に休みは無いのよ!」と言い、まるで私は楽をしていると言わんばかり。

それは分かる。わかるけど私だって休みの日に好き勝手遊びに行くことも無く、休みは家族の時間にあてている。仕事から家に帰れば家事育児して自分の時間なんてほとんどないじゃないか?オムツを変える、お風呂洗って子どもをお風呂入れて、寝かしつけて、キッチンの洗い物して、回しっぱなしの洗濯ものがあれば干して、ゴミ出しをし、家に帰ったら少しでも妻が楽になるようにやれることはやってる。家族が寝静まってから、むくりと起きてパソコンに向かって仕事。朝は家族を起こさないように起きて仕事へ。大変さがわかっているから朝飯を準備しとけなんて思わないし、休んでいて欲しい。

やれることは最大限やっているのに、どうして妻の方ばかりが苦労していると言われなければならないのか?
私の苦労は理解してもらえないのか?と。

また、私は心のどこかで「個人事業主の旦那の妻なんだから、仕事優先になるのは当たり前、理解があって当然」という思いがありました。

イライラしている妻の顔色を伺う日々に嫌気が刺し、ある時ささいなことで妻と衝突してしまいました…。

従来、私は仕事が終われば一分一秒でも早く家に帰りたいたちでした。そんな私が「家に帰りたくない」と思うようになってしまいました。実際に、仕事は終わっているのに家に帰らず、妻と顔を合わせないように妻や子供が寝静まったころを見計らって帰るようになってしまいました。

仕事からの帰りに家の近くのコンビニの駐車場で、一人車中でコンビニ弁当で夕飯を済ませている自分に、家族の幸せのために頑張ってきたはずなのに、俺は今いったい何をしているんだ?なんでこうなってしまったんだ?と答えの出ない日々が続きました。

「旦那の役割は二つしかないんです!」

お互い大人なので、なんとなく暗黙で表面的には元の生活に戻りましたが、しこりは残ったまま気まずい状態はしばらく続きました。

俺は悪くない、どうして理解してもらえない、俺の苦労をわかって欲しい、悶々とした気持ちを持ち続けながらも、どうにかこの状況を脱却できないか救いを求めるように、啓発本を読んだり、知人の意見を聞いたりしましたが気持ちの整理がつきませんでした。

そんなある日、YouTube(時代ですね笑)でそのころ興味深く見ていた、とある講演家の動画にハッとさせられました。
その動画で紹介していたのは「家庭での旦那の役割」についてでした。
それはこんな内容でした。

講演家:
いいですか?家庭での旦那さん・ご主人の役割は二つしかないんです。難しいことなんてありません。

一つ目…

  • 「家にお金を入れること!」

二つ目…

  • 「奥さんを笑顔にすること」

この二つです。どうですか?この二つ以外に何がありますか?
あると言う人いますか?

と。

一瞬「いやそれは分かるけどそれだけじゃないでしょう??」という思いがよぎりましたが、反論しようにも具体的な反論が出てきませんでした。

講演家は続けます

講演家:
あなた(旦那さん)は、奥さんを幸せにしようと思って結婚したんですよね?なんですか?自分の身の回りのことをやってくれる都合のいい存在を確保しようとしたんですか?

相手に自分のことを幸せにしてもらおうと思っていたんですか?違いますよね?

ああ、この人を俺は幸せにするぞ!と思って結婚したんですよね?

自分が自分の意志で奥さんを幸せにするって決めたわけでしょう?誰かに言われてそう決めたんですか?違いますよね?自分の意志で決めたことをやればいいじゃないですか。相手(妻)がどうかなんて関係ありますか?

見返りが無いとやりたくないことなんですか?

奥さんを笑顔にすることであなた(旦那)は何か損するんですか?

いや、奥さんを笑顔にすることであなたには得しかない無いはずですよね?

と。
さらに続けます。

講演家:

仮に奥さんはさておき、子ども、いい子に育って欲しいなと思いますよね?
いい子に育つために一番必要で効果的なことはなんだと思いますか?

それはお母さん(奥さん)がいつも笑顔でいることです。

子どもにとってもお母さん(奥さん)が笑顔でいることが、塾に通わせる、習い事をさせるといった教育効果よりも、何よりのプラスになるんです。逆(常に奥さんがお父さんや子どもの前でもイライラしている家庭環境)を想像したらわかりますよね?

どうですか?それでも奥さんを笑顔にすることに旦那さんは抵抗ありますか?
笑顔にしたくない、損した気分になる、なんて人がいるならどうぞやらなくて結構です。自分で不幸になりたいというなら誰も止めません(笑)

と。

「むむむ、反論の余地が…無い(笑)」

あれよあれよと感じ方・見え方が変わる

私も自分で自分のこと単純だな~と思いますが、この動画を見終わって、決めました。自分の意志で妻を笑顔にしよう、相手は関係ない、そうすると自分で決めようと。

これは「相手には期待しない、求めない」というのとはちょっと違います。とにかく自分で決めたことをやり抜こうということです。

妻とも話し合って、例えば固定のしっかりとした休日を取って欲しい、こういう時は電話を控えて欲しい、これをやってもらえると助かる、といったことをヒヤリングして、仮に内心「仕事に影響出るな~」と思うようなことでも究極「それで売上に響いてもやむ無し、社員にどう思われても気にしない」と、とにかく妻優先で仕事とプライベートを調整しました。

もちろん、仕事もしなければなりませんので、私もこういう時は仕事優先になるけどいいかな?とも提案しました。
ただそうやって話してみると、妻も私の仕事に対して理解していないことは全くなく、配慮してくれていることを改めて感じることが出来ました。

意識を変えてからは、例えば洗い物が溜まっていたり、洗濯ものが干し忘れていたら「お、俺の出番だ!妻を笑顔に出来るチャンスだ!」と思えるようになりました。

おそらくは以前の私はどこかで「まったく…ほら、やってやったぞ」という気持ちが出てしまっていたのでしょう。
妻からすれば家事が出来ていない後ろめたさをえぐられているような気持になって、逆にストレスになっていたのかもしれません。

意識を変えた後、当初は妻も「あ、ごめん、やってくれたんだ…」という感じで申し訳なさそうにしていましたが、徐々に、謝るのではなくフラットに「ありがとう~」と言うようになりました。

「ありがとう」は以前も言ってくれていたはずですが、私の方も「やってやったぞ」だったので素直に受け取れていなかったので、それからは素直に嬉しく感謝を受け止められるようになりました。

もうやればやるほどこちらも嬉しくなって、もっとやろうという気持ちになっていきました。

実は結果的にはやっていることは今までとそれほど変わっていないのですが、意識を変えた途端、相手への伝わり方、自分の受け止め方、すべてがあれよあれよ変わっていくのを感じました。

何より、妻の笑顔の時間が増えたことで、私自身の精神状態も幸福感が増しました(笑)何のためにこの仕事を選び、やり始めたのかの原点を再認識できた気がしました。
また安心して仕事にも打ち込めるようになりました。

さあ世の旦那様、自分のためにも、家にお金を入れ、奥様を笑顔にしましょう!!


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