「即入居可」を「現状渡し」だと強弁する仲介業者に遭遇

この時期、大学への進学や就職、転勤等で新生活を迎えるにあたり、新たに賃貸物件を探して契約する機会が世間的にも増えてくる時期かと存じます。
しかし、賃貸契約というものは少なからずトラブルの多い事例もよく聞くイベントです。
某不動産仲介業者

当社でも賃貸物件を借り上げ社宅として社員にあてがう機会があるのですが、そこで起きたトラブルの事例をこれから賃貸物件探し・契約・入居を控えた皆様に少しでも参考になればと掲載させていただきます。

探していたのは当然「即入居可」物件

当社に入社が決まった新人Sさん(25歳)、当社でも社宅借り上げの物件を過去3件ほどお世話になった地元の不動産仲介業者さんがあり、Sさんにもその仲介業者を紹介し、当初はそこでいくつか物件を紹介してもらい内覧していたようですが、Sさんはいい物件が無かったとのことで別の仲介業者を当たりたいということで別の仲介業者さんでいい物件を見つけたとのこと、そこで契約の運びとなりました。

県外で実家暮らしだったSさん、なるべく早く拠点を移すべく、当然「即入居可」の物件を探していました。

余談ですが、即入居可といっても「ここに決めた!」といってすぐその日や翌日から入れるわけではありませんで、まず審査があります。これは家主さんや管理会社さんの方で入居希望者(今回は私どもですね)さんがトラブル(主には家賃の支払い能力ですね)を起こすような人じゃないかを審査するわけで、審査期間に数日から10日前後要します。審査が通って契約となるわけですが、その間に管理会社さんなりで鍵の交換を行ったり、部屋の状態を最終確認したりするわけです。そして鍵の引き渡しとなって、やっと入居できることになります。
したがって「即入居可」といっても1週間から2週間程度は入居までに期間を要するわけです。

物件としては気に入ったが部屋の状態が…

間取りや立地、予算=家賃とのバランスで、最終的に内覧して物件を決めた当社のSさんですが、内覧の際に部屋の汚れが非常に気になったとのこと。というのも、部屋そのものは一度きちんとした清掃が入った様子も、どうやらその部屋は長期に空き部屋だったため室内に小虫が沸いてしまっていたようで、小さな羽虫の死骸が至る所に散らばって落ちていたとのこと。
Sさんはこれを仲介業者の担当さんに「これは綺麗にしていただけるんですよね?」と確認したところ「当然です」と説明を受け、それならとそこの物件に決めたそうです。

いざ引っ越し当日、部屋に荷物を運び入れようとしたら…

初期費用を支払い、契約書類を交わして、数日後に鍵の引き渡しを受け、その鍵を持ってその日の夜に荷物を運び入れようと部屋に訪れたSさんですが、部屋の中は内覧当初のままの状態で、床や窓枠には羽虫の死骸がそのまま…
夜遅かったこともあり仲介業者さんも営業終了しており連絡つかず、荷物を持って帰るわけにもいかず、途方に暮れたSさん。その時点で会社に連絡・相談すればいいものを、なんとSさんは羽虫の死骸だらけの部屋に荷物を運び入れ、その部屋で一晩明かしてしまうという、ある意味で強者の新人Sさん(笑)人が良いにもほどがある…。

翌朝クレームを入れるも…

仲介業者に営業開始時間を待って連絡をしたSさん。「少々お待ちください」と返事を待つことに。昼になってやっと帰ってきた仲介業者からの連絡が「そちらで直接、管理会社に連絡を取ってください。電話番号教えます。」との回答。
真面目を絵にかいたような、大人しい人当たりのSさん、この時点でも会社(当社)に報告・相談しない脇の甘さというか、世間知らずというか、よく言えば人の良さがあるわけなんですが、仲介業者に舐められてしまっているとしか言えません。
「入居までには部屋は綺麗にされますよ」と仲介業者の担当が言ったからその物件に決めたわけです。「現状渡し」だなんていう説明は一切されていなかったわけです。

夕方、気になっていた私は「引っ越しは無事済んだか?」とSさんに連絡を入れたところ、そこで始めて会社として状況を把握。Sさんに代わって仲介業者に会社として私が連絡を入れると「すぐ管理会社からそちらに連絡を入れさせます!」とのこと、実際数分を待たずに管理会社から連絡が来て「申し訳ございません…!」と…。

仲介業者の責任?管理会社の責任?

まあ普通は住居用の賃貸物件で「現状渡し」なんていうのはまずありえず、基本は原状回復=内装設備手直し・清掃が入った、入居したらすぐ生活を始められる状態であるのが前提で、例外的に「現状渡し」なんであればきちんとした説明が必要です。
(店舗・事務所用のテナントであれば「現状渡し」=「居抜き」なんてことはよくありますが)

物件(部屋)が虫の死骸が散乱し汚れた状態を放置したまま引き渡したのは管理会社の責任です。物件の内装・設備・美観や衛生の管理に責任を持つのは不動産仲介業者ではなく管理会社です(稀に兼ねている場合もありますが、ほとんどは仲介と管理は別々です)。
実際に事の経緯を知った管理会社は真っ先に「管理不足があり、申し訳ございませんでした」と非を認めてきました。

では、人の良いSさんに対して「管理会社に電話してください」と丸投げしてきた仲介業者には責任は無いのか?というともちろんそんなことはありません。

本来、仲介業者と管理会社は持ちつもたれず

確かに物件の状態を奇麗な状態にする責任を追うのは管理会社です。
しかし、物件を紹介して内覧にも同行した仲介業者は、物件の状態が悪い(羽虫の死骸が散乱)ことを見ていたわけですから、管理会社に対して報告するべきです。

今回の物件の管理会社から聞いた話では、その部屋が内覧の際にそういった状態であるという報告はその仲介業者からもらっていないかったし、今回、入居前の鍵の交換はこの仲介業者が行っていたので、そこでも報告が出来たはずだとのこと。もちろんそれをもって管理会社の責任が免れるわけではないですが…と認めていましたが、そのように物件の管理に少なからず地元の仲介業者も関わった「持ちつ持たれずの関係」で成り立っているのがこの業界なのです。

仲介業者の醜い言い訳

という実情を当社も知った上で「内覧の際に同行したそちらの担当者も、うちのSさんが綺麗にしてもらえるんですよね?と尋ねた際に、当然虫の死骸は綺麗にします」と説明されたわけでしょう?と私が詰問すると、

「いや~綺麗にするんで契約してくださいと言った覚えはありません。そういう言い方をしたら詐欺になるんで(キリッ)」と…。

「は?じゃあどいう言い方をしたんですか?」

「それは…管理会社の方で入居までには綺麗にしておいてくれるはずだという言い方をしました」

「意味合いがどう違うか全く分からないんですけど、どちらにせよこちらは入居までには綺麗になっているものだという認識を持つのは当然ですよね?どうして管理会社に報告してくれてなかったんですか?」

「(沈黙)…いやあ、そもそも、あの物件は『即入居可』なんで!『即入居可』なんでそういうこともあり得ますよ!(キリッ)」

「ファッ!?即入居可の物件は汚れたままの部屋の場合も有り得るだなんて聞いたことないですよ?それを言うなら『現状渡し』じゃないんですか?そちらの会社では『即入居可』=『現状渡し』という意味なんですか?」

「…いや、まあ、そう言う意味合いになったりするケースも…ゴニョゴニョ、モニョモニョ…」

「管理会社の責任もあるわけですけど、そちらも内覧にも立ち会って、状態を知った上で仲介して仲介料を取ってる以上、仲介した後の部屋のことなんて知らないよは通らないでしょう?」

「……申し訳ございません(棒読み)」

「あなたじゃ話にならないから責任者の方、電話代わってもらえますか?」

「…私が当不動産会社の代表です…」

「ファッ!?…」

結局どなったかというと…

結論的には、今回のケースではこちらが実質泣き寝入りすることになりました

実はもう電話をした時点で泣き寝入り覚悟で、文句の一つも言ってやらなければ気が済まないと電話した次第でした。

うちのSさんにも「社会人として」脇の甘いところはありました。会社(当社)で借り上げしているわけで契約者は会社なわけですから、内覧した際にそういう状況であったことを報告していれば、会社としても「ちゃんと言った通り綺麗にしてくれているか確認しておけよ」と言えたはずです。当日、荷物を運び入れてしまう前にも「こういう状況ですがどうしたら??」と会社に相談していれば「荷物を運び入れるのは一旦待て、会社に荷物を一時運び入れておいて、入居を先延ばししよう」なりの指示ができたわけです。

といのも、こういう場合は指摘をすれば管理会社はすぐに対応してくれます。実際、管理会社は「すぐに清掃業者をもう一度入れさせますのでお時間いただけますか?」と言ってくれました。しかし、Sさんはすでに荷物を運び入れてしまっていたために、荷物が邪魔で清掃業者は入れません。まあ百歩譲って荷物を置いたまま清掃業者に入ってもらうことも出来ないこともありませんが、鍵も交換され、私物を持ち込んでいる以上、立ち合いしないわけにもいきません。となると、新人のSさんにはすでに研修の予定をびっしりと組んでしまっているので、その予定を今回の一連の対応のために変更するなど現実的には困難な状態でした。

なにより「当社も清掃業者ですから…」という…ね…(笑)

Sさんも責任を感じたのか「自分で掃除するんで大丈夫です…申し訳ありませんでした…」と。
私も「いい社会経験をしたと思ってそうしなさい」と。
(注:当社は決してブラック企業ではございません・笑)

当ブログを読んでくださった方、多少なりとも参考にしてくださって、同じような困った状況に陥らないよう、一助になれば幸いです。。。


ハウスクリーニング専門店

LINEで送る