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室外機の掃除の必要性

エアコンクリーニングは基本的に室内機＝部屋の中の本体を洗浄する作業です。その際に室外機も洗浄すべきかどうか相談されるお客様も多いです。
エアコンクリーニング業者の中にも、「室内機と一緒に室外機も一緒に洗った方がいいですよ！」と勧めている業者もいるようです。
ここでは室外機の洗浄の必要性についてご説明します。

室外機を洗浄せずとも室内への衛生面の影響はありません

室外機も洗浄しないと衛生的ではないと思われる方がいらっしゃいます。しかし、室外機と室内機の間では空気のやり取りは行っていません。したがって、室外機が汚れていたとしても汚れた空気が室内に入ってくることはありません。

室外機と室内機は配管で繋がっていますが、その配管は室外機から圧をかけた冷媒ガスを室内機の熱交換器へ送り込むための配管であり、当然ガスが漏れないように密閉配管となっています。
余談ですが部屋の壁から室外機に向かってもう一本ホースのようなものが出ていますが、それは熱交換器に溜まった結露した水滴（ドレン）を室外に放出するための「ドレンホース」で、エアコンの冷房を使っているとベランダ等の外にチョロチョロと水が流れ出しているあれです。これは室外機につながっているわけではなく途中で室外に流れ出るように切断されています。

室外機が汚れていると、汚い空気が室内に入り込むのではないかというイメージから室外機も洗浄した方が良いと思われるケースがありますが、外観的に薄汚れていても、そういった意味で洗浄は必要ないと言えます。
もし「室外機も綺麗にしておいた方が衛生的ですよ～」といって勧めてくるような業者がいたら…それは悪徳業者かもしれません。

室外機を洗浄した方がいい場合とは？

それではどういった場合に室外機を洗浄した方がいいのか？これは室外機の本来の役割によります。
室外機は冷房時に、冷媒ガスに圧をかけ、その際に発生する熱を排気放熱しています。室外機のカバーの外側から見ると大きなプロペラが内側で回っているのが見えるかと思いますが、そのプロペラファンが回転することで排気放熱しています。

この排気放熱が、室外機が汚れていることで出来なくなる（効率が落ちる）場合が、まさに室外機の洗浄が必要な場合です。

室外機が設置されている、壁側の面を見ると、熱交換器（薄い金属板がズラリと並んでいる面です）が見えるかと思います。
この熱交換器にホコリが詰まっていたり、苔が生していてたりした場合、熱交換器＝薄い金属板の隙間が詰まってしまっていると熱の排気放熱がスムーズに行われなくなります。
したがって、チェックポイントはこの室外機裏側の熱交換器を覗いて見て、ホコリ等によって薄い金属板の隙間が詰まってしまっていないかを見る必要があり、そこに詰りが発生していなければわざわざ業者にお金を出して洗浄を依頼する必要は無いと言えます。

実際の事例

【室外機洗浄の必要性有りのケース】

例えばこの写真のように、室外機の裏側の熱交換器（薄い金属の板がズラリと並んでいる面）表面に、隙間が見えないくらいにホコリが詰まっていたり、覆ってしまっている状態の場合は洗浄の必要性有りと言えます。

ベランダに置いてあるエアコンで起きやすいのですが、どうしてもマンションのベランダですと洗濯物から出るホコリや髪の毛がベランダに溜まりやすく、エアコンが稼働していると室外機がこの裏側から空気を吸い込む流れとなりますので、熱交換器がフィルターのようにホコリや髪の毛を捉まえてしまい、写真のように詰まり出してしまうケースがあります。

【室外機洗浄の必要性無しのケース】

逆に右の写真のように、仮に室外機が外観的に薄汚れていて、室外機裏側の熱交換器表面を見ても、うっすら薄汚れている場合でも、上記の写真のように熱交換器の隙間を埋めるようなホコリの溜まり方をしていなければ、洗浄の必要性はありません。

上記写真のような広範囲に熱交換器に蓋をするようにホコリが詰まっていなければ、充分空気の循環が起きます。
基本的に室外機はその名の通り、外置きしているわけですから、熱交換器に汚れは薄っすらでもついていますので、汚れの膜によって熱伝導率は落ちますので熱交換性能は落ちていると言えます。なので洗浄するのとしないでは、それはした方が良いのですが、これは費用対効果の判断です。
多少薄汚れている程度で高い費用を出して業者に洗浄を依頼するほどの性能の低下は起きません。

したがって、当社ではこの程度の汚れ方の場合、洗浄の必要性無しと申し上げます。

そもそも室外機はある程度は汚れることを想定して作られています

室外機、その名の通り室外に設置する機器ですので、機械設計上は「屋外仕様」といってある程度の粉じん、雨等の水滴といた砂塵や風雨に耐えられます。かつ、そういった影響を受けて汚れた程度で大幅に性能が低下するような設計になっていません。
基本的に室外機はノーメンテナンスを前提に設計製造されています。

よく商業ビルの高層階の壁面に室外機がズラリと並んで設置されているのを見たことが無いでしょうか？そんな高層階のなんの足場もない場所に設置された室外機はメンテナンスすることを前提としていません。
また一般宅でも屋根瓦の上に室外機を設置したり、やはり家の壁面に室外機を設置したりします。これはこういった設置をメーカーが許容していることがメンテナンスをしなくても平気な証拠です。

ただやはりマンション等のベランダの床面側は閉鎖空間に近く、空気の流れが起きにくいため、洗濯物のホコリが溜まりやすく、ベランダに設置されている室外機の熱交換器にホコリが詰まりやすい傾向はありますので室外機の洗浄が必要な場合は確かにあります。

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