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エアコン洗浄でエアコンの不具合はなおる?

メーカーに洗浄の必要性ありと言われたが…

水漏れや冷房の効きが悪くなったりといったエアコンの不具合でメーカーに見てもらうケースがあるかと思います。
その際に、
「エアコンを掃除した方がいいですね」
「内部洗浄すれば改善しますよ」
といったアドバイスをもらうケースが非常が多いです。

実際に当社にも「メーカーにそう言われたのでエアコン洗浄をお願いしたくて…」と相談してくるケースが多々あります。

しかし、そういったご相談を受けた場合、実際はエアコンクリーニングによってすべての不具合が改善されるわけではないことを説明申し上げます。

メーカーの診断は実はいい加減!?

メーカーにエアコンの不具合を診てもらうと、十中八九、エアコン内部の汚れが原因でエアコン洗浄をすることを推奨されます

エアコンは自己診断機能というものがあり、基盤(制御・ソフト面)の異常があるとリモコン操作で異常が確認できるようになっています。メーカーから派遣されてきた担当者はまずこの機能で基盤に異常がないかを確認します。
ここで異常がないとなると、ハード面の問題だという判断になります。
ここで、熱交換器やファンやドレンパン・ホース等にホコリやカビの詰まりといった汚れの蓄積による異常を疑うわけです。
そこでエアコンクリーニングを推奨するわけです。

詳しくは後述しますが、しかし、それでもエアコンクリーニングで万事解決するかというとそうではありません。
本来はきちんとエアコンクリーニングでも不具合の症状が解決されないことを説明した上で提案しなければならないのです。
本来は、「エアコンクリーニングをしてみて症状が改善されなかったら寿命だと思ってください」という一言が必要なのですが、その説明をせず、むしろエアコン洗浄をすればさもなおりますといった印象をお客様に与えてしまっているのが実情です。

それでは以下にエアコン洗浄によって不具合の症状が改善する場合とそうでない場合の事例を説明申し上げます。

エアコンクリーニングで冷却性能は改善される?

エアコンが冷えなくなった、という理由でエアコンクリーニングを依頼されるお客様も多いです。
ただ、エアコン洗浄することで冷えが良くなる場合とそうならない場合があります。

冷えが良くなるケース

  • フィルター掃除がされていない
    フィルター掃除を怠っているとエアコンが空気を吸い込めなくなります。
    エアコンが脚立を使わないと届かないような高い位置に設置されている場合は仕方ない面もあります。
    エアコンは空気(暖気)を吸い込んでエアコン内の熱交換器を通して吸い込んだ空気を冷たい空気に変えて吐き出します。フィルターが詰まっていると室内の暖気を冷たい空気に換えることができませんので、エアコンから出てくる風は必然的に冷えていない空気が出てきます。
    したがって、フィルターを掃除されていないエアコンは、エアコンクリーニングを依頼いただくことで、フィルターが洗浄されることで冷房効率が改善されるケースは多いと言えます。

また、近年ではフィルター自動掃除機能付きのエアコンにおいてもフィルターの詰まりが原因で冷房効率が落ちているケースがあります。
フィルターが自動で掃除されているはずなのになぜ?と思われるかもしれませんが、フィルター自動掃除機能でフィルターはほとんど掃除できていないのが実情です。
取扱説明書を見ると「定期的に使用者様でフィルターを外して掃除してください」と書いてあります。

  • 熱交換器にホコリや汚れが詰まっている
    フィルターと同様に熱交換器にホコリが詰まっていると冷えが悪くなります。
    フィルターをまめに掃除していてもどうしてもフィルターをすり抜けて熱交換器にホコリが蓄積してしまう場合があります。また煙草のヤニやキッチンが近いと油汚れも熱交換器に溜まります。
    こういった場合はやはりエアコンクリーニングによって熱交換器を洗浄することで冷却効率は改善されます。
  • シロッコファンに汚れが溜まっている
    送風口から覗くと見える筒状のファン。実はエアコンの汚れで最も蓄積が激しく、いろんな悪影響をもたらす元凶がここです。覗いてみてハンドライト等で照らして見てみると、ゾッとする汚れがついている場合があります。

シロッコファンには羽が幾つもついていますが、羽と羽の隙間が埋まってしまうくらいモコモコとした汚れ(実はこれ、ホコリとカビの胞子なんですが)で詰まってしまっている場合があります。
こうなると、羽が空気を掴めずに空気を押し出すことが出来なくなり、風が出てこなくなります。
この場合もエアコンクリーニングによってシロッコファンを高圧洗浄することで冷却効率が改善されます。

エアコン洗浄をしても冷えが良くならないケース

  • 冷媒ガスの減少(ガス抜け)
    エアコンは空気を冷やすために冷媒ガスを使用しています。
    この冷媒ガスが減少してくると熱交換器の冷却がスムーズに行われなくなり、冷えが悪くなり、場合によっては過剰結露による水漏れの原因なったりします。

冷媒ガスの減少による冷えの低下はエアコン洗浄をしても改善させることは出来ません。

参考までに冷媒ガスは本来はエアコンの機械的な寿命まで持つはずのものですが、ごく微量ながらガス漏れが起きている場合があり、配管構造上これは許容されています。
しかし、エアコンの据え付けの際の配管の接続の施工に不手際があったりすると許容範囲を超えてガス漏れが大きく短期間でガスの減少が起きる場合があります。
引越しに伴ってエアコンも移設した後、移設先でエアコンを使い始めたら急に冷えが悪くなった、というケースは移設の際の作業不良によってガス漏れが発生している可能性があります。

  • 熱センサー・基盤の異常
    エアコンのリモコンの温度設定を最低温度に設定しているのに冷えない。あまり冷えた風も出てこない。という場合があります。
    この原因の一つにエアコンの温度を感知するセンサーの部品異常その温度を感知して冷やし具合を制御する基盤に異常が起こっている場合があります。

これにより実際の室温の感知やエアコンの熱交換器の冷え具合をエアコンが認識できず、また冷やそうとする制御自身がうまくいっていないことで冷えの悪さを引き起こしていることになります。
これもエアコン洗浄では改善されない事例です。



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